労働基準法、平成28年度改定

あけまして、おめでとうございます。                                                                 i-saru73
本年が、皆様にとって良き年でありますことをお祈り申し上げます。

 

労働基準法の改正案は、労働政策審議会からの「おおむね妥当」との報告を受け、昨年4月に閣議決定され、国会に提出されています。昨年の国会では、いわゆる安保法案の影響で、可決に至っていないものの、施行日が4月1日(一部、平成31年4月1日)ということからこの通常国会での可決成立の可能性が高い法案です。年頭に当たり、その内容を概観します。

法案の提案理由

国会に提出された法案には、その提案理由が書かれています。
すなわち、
長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備するため、
年次有給休暇にかかる使用者への義務付け、
高度な専門的知識等を要する業務に就き、かつ一定額以上の年収を有する労働者に適用される労働時間制度の創設等
の所要の措置を講ずる必要がある。」
つまり、一定の条件を満たした労働者にその能力をいかんなく発揮してもらうため、労働時間の規制を撤廃する。しかし、それだけでは、労働時間が無制限になってしまう恐れがあるので、労働者全般の年次有給休暇の取得に関して使用者に義務付けをし、時間外労働に関する行政官庁の助言指導を強化するというものだと解釈されます。

法案の概要

多様で柔軟な働き方の実現に向けて

・フレックスタイム制の見直し
・企画業務型裁量労働制の見直し
・特定業務専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等として

・中小企業における月60時間超の労働時間に対する割増賃金の見直し
・著しい労働時間に対する助言指導を強化するための規定の新設
・一定日数の年次有給休暇の確実な取得
・企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取り組み促進

このうち、「中小企業における月60時間超の労働時間に対する割増賃金の見直し」の施行日は、平成31年4月1日、その他は、今年の4月1日です。

労働時間の規制がなくなる労働者

課題解決型提案営業をする営業職裁量的にPDCAを回す業務に従事する企画職
これらの業務に該当する者は、収入面の条件がないので際限なく該当することになり、運用には注意が必要です。労働政策審議会のうちの労働条件分科会で、企画業務型裁量労働制に、該当営業職と該当企画職を追加することには、「長時間労働になる恐れがある労働者の範囲が拡大することとなる」ので認められないとの意見がありました。

高度の専門的知識を必要とする、いわゆる高度プロフェッショナル
収入面で少なくとも1,000万円以上の年収を有することが条件になっています。

この法案は、一部労働者の能力をいかんなく発揮してもらうために、長時間労働の抑制策によって、長時間労働になることなく、その成果を結実するのか、労働組合などが言う「残業ゼロ法案」でしかないのか、慎重に行方を見守り、意見を述べなければならないと思います。

 

 

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