経営力向上、正社員化で助成金も

非正規雇用労働者(非正社員)の評価

人・モノ・金・情報といわれる企業の財産のうち、人については、非正社員の割合が増え続けています。経営側にも労働者側にもあるそれぞれの事情で、非正社員として企業に係ることになったわけですが、経営側は、非正社員の業務能力等の評価をしているでしょうか。短期間の腰掛的存在として、いわば使い捨てにしていませんか。非正社員の中には、それまでの仕事で培った経験とノウハウを持ち合わせている人を含め多彩なキャリアがあるはずです。正社員に対して半期に一回くらいの頻度で行われている人事評価と同レベルのものは、実際上難しいかもしれませんが、日常仕事を共にしている先輩社員や上長が感じている非正社員の評価を随時吸い上げ、評価することは、増え続ける非正社員の戦力化の観点から重要だと思います。

キャリアアップ助成金

一方、厚生労働省は、「キャリアアップ助成金」という形で非正社員のキャリアアップを推進しています。当初は、正社員への人材育成を目的にしていたものですが、この対象者を非正社員にひろげ、「正社員化コース」、「人材育成コース」、「処遇改善コース」として整理し、今年4月1日からは、助成金額も充実させています。今年2月にこのコラムでも「雇止めより助成金という選択」を掲載していますが、4月以降の改正部分を中心に、もう一度見てみたいと思います。

ねらい目は「正社員化コース」

3つのコースに整理された、非正社員を対象としたキャリアアップ助成金ですが、企業側から取り組みやすい「正社員化コース」について見てみましょう。このコースの助成金を得るための企業の条件は、実際に申請するには細かな規定がありますが、通常の経営をされている企業にとって、無理難題を押し付けるものではないので、ここでは触れません。

助成金額の中でも多額なケースは、非正社員(中でも有期契約の者)を正社員に転換すると一人当たり60万円(中小企業の場合。同年度当たり15名が限度。15名が認定されれば、900万円。)です。非正社員の働きを評価し、能力等において十分に評価できる人材であれば、正社員化への当人の希望も加味した上で、正社員に転換することは、経営上の何のデメリットにもなりません。それでいて、助成金が支給されるならこれはねらい目の助成金です。以前、正社員の人材育成に関するキャリアアップ助成金に係り、申請、受給にまで至った経験がありますが、人材育成の場合、育成期間内に当初の計画と異なる状況に至ったときの変更申請の工数、育成教材の正当性(助成金に値するか)の証明、それらを含む受給に至るまでの時間の長さを痛感しました。正社員への転換について、当初の計画や規程をしっかりしておけば、計画実行段階での変更申請がないであろうこと等から「正社員化コース」を薦めます。

申請の条件

企業としての条件には触れませんが、「正社員化コース」での申請、受給に必要なその他の条件を見てみましょう。

キャリアアップ計画の作成・提出

企業(事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、非正規社員のキャリアアップ計画を立てなければなりません。助成金を申請するには、企業としての取り組み姿勢を必ず問われるので、これは作りましょう。難しいものではありませんが、非正社員を正社員に転換する1か月前までには、(ハローワーク経由)管轄労働局長に提出する必要があります。また、同時期に就業規則や労働協約、またはこれに準じるもので、この転換制度について規定し、労働組合等の意見を聴取し、社員に説明しておきます。

就業規則の変更・届出

就業規則で規定する場合は、就業規則の変更になるので、必ず労働組合等の意見を聴取し、労働基準監督署に届けておきます。

申請時期

キャリアアップ計画に基づき、就業規則や労働協約、またはこれに準じるもので規定した方法で非正規社員を正規社員に転換するタイミングですが、まず転換するまでには、非正社員として6か月以上契約している者が対象になります。その対象者の中から正社員に転換します。そして、正社員に転換して6か月経過した時点で、その後2か月以内に「正社員化コース」の助成金を申請します。非正社員のキャリアアップが目的の助成金なので、助成金申請のためだけに、非正社員を雇い入れ、すぐに正社員化して申請ということが無いように、転換までに非正社員として少なくとも6か月、正社員として申請までにもう6か月は、雇用している(給与を支払っている)ことを求めています。

 

 

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