休業手当と休業(補償)給付、社員とパートの給付基礎日額

目線の違いが制度の違いをもたらす

手当とは、基本給以外の「心づけ」という意味合いなのに対して、給付とは「債務者の行い」というような意味合いなので、おのずと支給額の計算方法に違いが出ます。
例えば、休業手当と休業補償給付。それぞれの意味については、ここでは省略しますが、休業の日に一部就労時間があった場合の支給額の考え方に違いが出ます。すなわち、休業手当では、休業当日に平均賃金の60%以上の就業時間があれば、その日の休業手当は不要(60%が確保されているから)なのに対して、休業補償を行う場合、休業当日、平均賃金の例えば60%が就労済みだったとき、その賃金に、就労しなかった40%の6割(24%)を加えた84%が支給されます。

社員とパートとの給付基礎日額の計算方法の違い

休業手当や休業(補償)給付額の計算のもととなる平均賃金(=給付基礎日額)の計算方法が、社員とパートでは違います。
平均賃金(給付基礎日額)の原則の計算式は、算定すべき事由が生じた日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額をその期間の総歴日数で除した金額です。
    平均賃金(算定基礎日額) = 3ヵ月間の賃金総額 / 3か月間の総歴日数
これに対し、パートは社員のように毎日就労するわけではないのでこの計算式では、平均賃金(算定基礎日額)が低くなってしまうため、3か月間に実際に労働した日数で除します。
3ヵ月間の賃金総額 / 3か月間の実働日数
さらに、パートは、1日の所定労働時間に満たない働き方をする場合もあるので、さらにこの計算式の60%を平均賃金(算定基礎日額)としています。
平均賃金(算定基礎日額) = (3ヵ月間の賃金総額 / 3か月間の実働日数) x 0.6

社員とパートの休業手当の違い?

したがって、考え方に不公平はないのですが、一見以下のようなことになります。

「休業手当は、平均賃金の60%」ですから、
社員の場合: 休業手当 = (3ヵ月間の賃金総額 / 3か月間の総歴日数) x 0.6
一方、パートの場合: 休業手当 = (3ヵ月間の賃金総額 / 3か月間の実働日数) x 0.6 x 0.6

なんだか、パートは損してるようですが、この違いは、就業形態の違いが計算式の違いになっているだけです。

パートさんの特典?

休業手当の計算式では一見、パートが損しているように見えますが、休業(補償)給付では、こんな特典があります。

休業(補償)給付額 = 休業基礎日額 x 0.6 x 休業日数

この「休業日数」というのは文字通り休業した日数なので、それが就労日に休業したのか公休日だから休業したのかの区別がありません。

つまり、土日の休日も、もともと就労しない平日も休業(補償)給付の対象になるのです。

 

平均賃金は、労働基準法の表現、給付基礎日額は労災保険法の表現。同じものです。

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