会計法と年金法との時効援用の違い

 

前回は民法改正に関する話題をまとめましたが、今回はそれに関連して民法の「援用」が会計法や年金法でどのように扱われっるかを見てゆきます。援用とは、「時効の援用」などと使われるときの援用で、「受給権を消滅させる」という意味です。つまり、民法で規定される時効は、時効を迎えても自動的に時効が有効になるのではなく、「援用する」と宣言して初めて時効が成立します。

会計法の時効

収入、支出、契約などに適用される会計法では、時効の扱いが民法と異なります。民法と会計法は、それぞれ「一般法」と「特別法」の関係になるので、会計法で規定するものが民法にも規定されている場合、特別法である会計法の規定が優先されます。時効に関して言うと、民法では、時効を成立させるためには援用する必要かあるのに対し、会計法では、期限が来れば援用しなくても自動的に時効が成立します(自動失権)。

年金法の時効

年金法(国民年金法と厚生年金保険法)の時効の扱いは、時間経過とともに扱いが変化しています。年金(公的年金)は、年齢など受給要件を満たしたときに、全額を一括で受給するのではなく、その時から年額を分割し、2か月に1回ずつ受給する仕組みです。この年齢などの受給要件を満たし「年金をください」と請求すると、「裁定」を通じて年金の「基本権」を得ることができます。また、この基本権をもとに、年金を分割して2か月に1回受給する権利を「支分権」といいます。この基本権と支分権について、年金法では、もともと基本権については、民法同様に援用しなければ時効は成立しないとし、支分権については、会計法同様に援用しなくても自動失権するとしていました。しかし、現在の年金法(平成19年7月7日以後の受給権)では、支分権も民法同様に援用しなければ時効は成立しないとしています(正確に言うと、年金法では援用についての規定がないので、一般法である民法の援用規定が適用されます)。
このきまりにしたがって、日本年金機構の運用では、基本権を援用することはせず、支分権については、行政ミス等で援用するに忍びないケースなどを除いて、その都度援用により時効を成立させています。

 

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