女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正

女性をはじめとする多様な労働者が活躍できる就業環境を整備するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する一般事業主行動計画の策定義務の対象が拡大されます。

 

女性活躍の推進【女性活躍推進法】

(1)一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大

一般事業主行動計画の策定義務の対象を、常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大する。

(2)女性の職業生活における活躍に関する情報公表義務の拡大

情報公表義務の対象を101人以上の事業主に拡大する。

(3)情報公表項目の改正

301人以上の事業主については、現在1項目以上の公表を求めている情報公表項目を

①職業生活に関する機会の提供に関する実績

②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績

に関する項目に区分し、各区分から1項目以上公表すること。

情報公表に関する勧告に従わなかった場合に企業名公表ができることとする。

施行は3年以内ですが、すぐ3年経ってしまいます。常用労働者101人以上の事業主は、今から準備が必要です。

 

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有給休暇の時季指定、基準日

4月1日施行の改正労働基準法の中で、中小企業も含め罰則のある規定として施行される、「年次有給休暇の時季指定」には、十分な注意を払う必要があります。

1.  年次有給休暇の付与

まず、年次有給休暇について振り返っておきましょう。

改正前労働基準法39条では、「使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない」と規定されています。

1週間の所定労働日数が少ないパートタイム労働者等には、年次有給休暇を比例付与する必要がありますが、今回の改正内容は、基準日に10日以上の年次有給休暇を付与される労働者(該当するパートタイム労働者等も含む)に対する義務となっています。

また、改正前労働基準法39条第2項で、「使用者は、1年6ヶ月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6ヶ月を超えて継続勤務する日から起算した継続勤務年数1年ごとに年次有給休暇の日数を増やす(上限は、10日の増加)」ことになっています。

 

2.  年次有給休暇の「基準日」とは?

上記、労働基準法39条を適用すると、フルタイム労働者の雇い入れの日から6ヶ月経った日に、それまで8割以上出勤している労働者に10日の年次有給休暇を与えることになりますが、この年次有給休暇を与える日を「法定の基準日」または「基準日」といいます。

そして、この「基準日」から1年経過すると、その1年間に8割以上出勤している労働者に、継続勤務年数にしたがって新たな年次有給休暇を付与することになります。

このように労働基準法で規定されている方法では、労働者一人ひとりの年次有給休暇を、雇い入れの日ごとに別々に管理することになります。

 

3.  有給休暇の「第一基準日」とは?

雇い入れた日から6ヶ月経った基準日ではなく、雇い入れた日から基準日までの間も会社を休まざるを得ない事態に対して、一定の有給休暇日数を認めている企業もあります。

例えば、雇い入れの日にあらかじめ5日間の有給休暇を与え、雇い入れの日から3ヶ月後にさらに5日間の有給休暇を与えるとします。

この場合、有給休暇の付与日数が10日に達した日(この例では、雇い入れの日から3ヶ月後)を「第一基準日」として、この日から1年間が年次有給休暇を少なくとも5日取得させる義務期間になります。

ただし、第一基準日前に何日かの有給休暇を取得しているときは、その日数は、取得義務5日の内数として差し支えありません。

例えば、第一基準日までに2日の有給休暇を取得済みとすると、第一基準日からの1年間では、既に2日は取得済みとして、あと3日の取得で足りることになります。

 

4.  有給休暇の「第二基準日」とは?


雇い入れの日がまちまちだと、労働者それぞれに基準日があることになり、その基準日やそこから1年経過した日ごとに、労働者一人ひとりの年次有給休暇を管理しなければならない煩雑さが生じます。

そのため、雇い入れの日がいつであろうと、全員の年次有給休暇を決まった日に「一斉付与」の方法をとる企業が少なくありません。

具体的には、例えば、雇い入れの日がいつであろうと、勤続年数に従った年次有給休暇を4月1日に一斉に付与するという方法です。この一斉付与の日を「第二基準日」といいます。

5.  有給休暇取得義務の「ダブルトラック」とは?

第二基準日を設けて有給休暇を管理する方法をとった場合、第一基準日を決めないときの基準日と第二基準日、あるいは第一基準日と第二基準日との関係で、下図のようにそれぞれの1年間に重複する義務期間、いわゆる「ダブルトラック」が生じます。

この場合、「1年間に5日以上の有給休暇を取得させければならない」規定に対して、基準日または第一基準日を初日として第二基準日から1年経過した日までの期間(下図ではNヶ月)について、その長さに応じた日数の有給休暇を取得させるように管理することも認めることとしています。

その長さに応じた日数とは、Nヶ月間に対して、「N ÷ 12 × 5」で計算される日数の有給休暇を与える義務が生じます。例えば上図の場合、Nは18ヶ月なので、「18 ÷ 12 × 5 = 7.5」で、N=18ヶ月間に7.5日の取得義務が生じます。
(※ 小数点以下の切り捨て、切り上げについては現在指針が示されておりません)

なお、「3.  有給休暇の「第一基準日」とは?」での例のように、第一基準日までにn日の有給休暇を取得済みとすると、Nヶ月での取得義務日数は、「 (N ÷ 12 × 5) – n」になります。

N=18ヶ月として、仮に基準日までに2日取得しているとしたら「(18 ÷ 12 × 5)- 2 = 5.5」で、期間内の取得義務日数は5.5日になります。

 

6.  「年次有給休暇管理簿」での管理徹底

上記のように4月1日施行の改正法の解釈に齟齬が生じないよう詳細にその内容が規定されることから、企業においてはその内容を理解し、これまで以上に「年次有給休暇管理簿」による管理を徹底し義務違反にならないようにしなければなりません。

 

 

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働き方改革法改正施行の年です

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

 

さて、日韓関係は、昨今韓国の一方的自滅行為で、迷惑ながらも日本も一部対抗せざるを得ない状況にあり、両国関係がぎくしゃくしていますが、国内の労働環境に目を向ければ、昨年法改正がされたいわゆる働き方改革法が4月から順次施行されます。今回は、その準備を始めるためにも、全体をまとめ、当面の重点項目を指摘しておきたいと思います。

7つの法改正スケジュール

4月施行

・年次有給休暇の時季指定義務

・労働時間の把握の実効性確保

・フレックスタイム制の拡充

・勤務間インターバルの努力義務

・高度プロフェッショナル制度新設

大企業は4月施行、中小企業は来年4月施行

・時間外労働の上限規制

大企業は適用済み、中小企業は、2023年4月施行

・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引き上げ

4月施行の重点項目

4月施行が目前に迫っている項目の内、「年次有給休暇」と「労働時間の把握」については、漫然としていると足をすくわれます。

 

年次有給休暇

労働者一人ひとりについて、年次有給休暇の付与日数、消化状況、消化状況を踏まえた時季指定による有給休暇の管理(年次有給休暇管理簿)が必要になります。年度内に最低5日は有給休暇を取ってもらう管理です。当年度中に特に時季指定による休暇の日を決めていない場合、年度末が近づいたある日に、労働者が自発的に取ったそれまでの有給休暇消化状況を把握したうえで、有給休暇が5日未満の場合、最低5日になるよう年度末までに時季指定をして休ませなければなりません。労働者が自発的に5日以上の有給休暇を取りやすい環境ができれば、会社が時季指定をする必要はなくなるので、有給休暇を取りやすい職場環境づくりが肝要です。とりわけ、職場環境づくりの根幹をなす就業規則の見直し、改修をこの時期に検討されてはいかがでしょうか。
この規定は、パート、アルバイトも区別なく対象になります。

 

労働時間の把握

これまでは、管理監督者はタイムカード、あるいはそれに代わるなんらかの方法による時間管理をしなくてもよい風潮がありましたが、4月からは、管理監督者も裁量労働制対象者もすべて、タイムカードなど客観的な方法、その他適切な方法での労働時間管理が義務付けられます。客観的な方法とは、タイムカードによる打刻、ICカードの読み取り、各自のパソコンのログなどが挙げられます。これまで手作業で管理をしていた企業では、市販の勤怠管理システムの導入を検討する時期かもしれません。

罰則

法律で制定された規定であり守らなかった場合の罰則規定があります。規定違反は、6か月以下の懲役または、30万円以下の罰金です。
罰則規定がある法規制は、労働基準監督署の監督事項になりますので、今から職場の環境づくりやシステムづくり等対策の準備を始めておきましょう。

 

 

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36協定に関する労働基準法の改正

6月に国会で成立した「働き方改革法」で決められたことの主な項目は、
1.時間外労働の上限規制(36協定)

2.年次有給休暇の計画的付与

3.フレックスタイム制の清算期間の上限変更

4.高度プロフェッショナル制度の創設

です。

今回は、このうちの「時間外労働の上限規制(36協定)」について、労務管理上、変更内容が重要なので解説します。

 

改正される労働基準法第36条

これまでの原則的限度時間(1ヶ月に45時間、1年に360時間までの時間外労働)は、法律で規定されたものではなかったのですが、今回の改正で法律(労働基準法第36条第4項新設)に格上げされ明文化されます。

また、特別条項においては、時間外労働時間が、これまで事実上の「青天井(上限なし)」だったのに対して、労働基準法第36条に第5項、第6項を新設し、例外的限度時間として、1年に6回まで1ヶ月に100時間、1年に720時間以内と規定されます。さらに、第6項では当月を含む直前2ヵ月から6ヵ月の1ヶ月平均時間外労働時間が、80時間を超えてはならないことも規定しています。
なお、新法での原則的限度時間は、従来同様に法定休日の労働時間は含みませんが、新設される例外的限度時間では、法定休日の労働時間を含んだ時間です。従来の原則的限度時間においても、過労状態を監視する目的なのに、法定休日の労働時間は含まないのかといぶかしく思っていましたが、今回やっと(原則的限度時間では変わっていませんが)例外的限度時間で、法定休日の労働時間も含まれることになりました。

 

社員代表の選出

上記のように労働基準法第36条が改正されると、36協定の有効性が重要になります。「有効性」とは、36協定が正しい手続きで結ばれたものであるかということです。労使協定である36協定の一方は、会社(使用者)であり、一方は、労働者の過半数で組織する労働組合または、労働者の過半数を代表する者(社員代表)です。そして、この社員代表を正しい手順で選出していないと、36協定を労働基準監督署に届け出ても、36協定そのものが無効になってしまいます。
社員代表の選出には、パートやアルバイトも含んだすべての労働者(管理監督者も含むが、派遣労働者は含まない)に、36協定を結ぶ代表者の選出であることを告げて、投票、挙手などの方法で選出することになっています。なお、社員代表は管理監督者であってはなりません。

 

 

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雇用時の通知事項

会社が労働者を雇うとき、最低限どのような内容を相手に知らせなければならないのでしょうか。
雇用に関する法令は、民法、労働基準法、労働契約法と多岐にわたりますが、今回はこのうち、労働基準法を根拠法令とする労働条件の明示に関する事項とその関連契約書について解説します。

 

労働基準法第15条(労働条件の明示)では、労働の契約をする際に会社が労働者に対して明示すべき項目を挙げています。

労働条件の明示事項(絶対的明示事項)

1. 労働契約の期間
2. 業務の場所、内容
3. 業務の開始時刻、終了時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇
4. 賃金の決定、計算方法、支払方法
5. 退職に関する事項
6. 昇給に関する事項

 

このほかに、退職手当や賞与など制度を設ける場合は明示しなければならない事項があります。

 

制度を設けるときの明示事項(相対的明示事項)
1. 退職手当 適用範囲、計算方法
2. 賞与
3. 労働者が負担する食費、作業用品の費用
4. 安全衛生に関する事項
5. 職業訓練に関する事項
6. 災害補償、業務外の傷病扶助
7. 表彰、制裁に関する事項
8. 休職に関する事項

労働条件通知書

労働条件通知書とは、このうち絶対的明示事項の1~5について、その内容を会社から契約を交わそうとする労働者に紙の書面で明らかにし、通知するためのものです。

絶対的明示事項の「6. 昇給に関する事項」は、書面でなくても良いことになっていますが、知らせなければならない必須項目ですので、通常は労働条件通知書に書き込みます。

労働条件通知書は、会社が一方的に労働条件を通知する書面ですので、この段階で労働者の同意は必要ありません。

雇用契約書

労働条件通知書に書いてある内容(絶対的明示事項、相対的明示事項)について、必要であれば会社と労働者が協議し、労働者が納得をしたところで労働を提供する労働者と、労働に対する対価としての報酬を支給する会社が契約を交わします。通常、この契約は書面をもって交わされ、双方が署名、または記名押印をして契約の証拠とします。

書面をもって交わす契約書なので、この契約書は、労働契約法第4条を根拠とする労働契約書ですが、同居の親族など「労働者」といえない人にも適用できるよう、民法623条を根拠とする雇用契約書とする方が良いかもしれません。

労働条件通知書と雇用契約書の実務上の運用

労働条件通知書は、労働基準法で決められていて、この通知をしないと罰則の対象になります。

一方、雇用契約書は、発行しなくても法的な罰則規定はありませんが、あとで「言った、言わない」の争いを避けるため、双方が署名、または記名押印をして証拠書類とするのが一般的です。

したがって、本来人を採用する際の手順は、労働条件通知書の通知があって、雇用契約書の締結ということになりますが、実務上の運用では、雇用契約書の書面の中に、労働条件の通知事項を書き込むことで、労働者が労働条件に納得した上で雇用契約書に署名、または記名押印をすることになるので、労働条件通知書による通知もされているということになります。

 

 

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「働き方改革」に秘められた思い

安倍内閣が推進する「働き方改革」を進めるうえでの各種の議論や具体的な取り組み方法(ガイドライン)が出始めていますが、いずれも容易ではないようです。もともと、日本における生産年齢人口の減少が、働き方の改革に手を付けねばこの国のプレゼンスを危うくするという危機感がその大きな動機です。

働き方改革は、改革のさきがけとして「時間外労働の上限規制」と「同一労働同一賃金」から始まっています。

時間外労働の上限規制

従来から問題視されていた時間外、休日労働時間の上限規制について、明確に数値を示して36協定の特別条項による抜け道を封鎖するようにします。このこと自体は、従来からの懸案を解決させることになりますが、度を超えた残業や休日労働をしなければならない状況の是正が本質的な解決策であるはずなので、働き方改革の重要な要素として、「生産性の向上」が同時に言われていると思います。

生産性の向上

生産性は、生産額を労働投入量で割った値なので、時間外労働の上限規制は、この計算式の分母を小さくする対策になります。であれば、次の対策は、この式の分子である生産額を増やすことでより生産性が上がることになります。

このためには、子育てや介護の関係で職場を離れた人々が職場に戻れる環境の整備と人々の働く意欲(モチベーション)の醸成が時間当たりの生産額を上げることになります。

同一労働同一賃金

働く人を正規労働者(正社員)と非正規労働者に分けて、職務給に差をつけていることが大きな問題になっています。特に心ならずも非正規労働者として、不安定な労働環境に甘んじている人たちにとっての重要事項は、生産性ではなく、時給に見合った働きを無難にこなすことになっているのではないでしょうか。つまり非正規労働者に対して会社に対するロイヤリティや昇格へのモチベーションを期待できない処遇をしている限り、非正規労働者が担っている部分の生産性の向上など望むべくもないことになります。同一労働同一賃金の実現は、非正規労働者にとって重要な働き方改革になるでしょう。しかし、何をもって社内での仕事を「同一労働」と定義づけるかは非常に難しい作業になると思います。この部分は国のガイドラインではなく、個々の企業が知恵を絞って、定義づけをしてゆくしかありません。

兼業・副業

兼業や副業を禁止する就業規則を頂く企業では、社員の高齢化に伴う対策の一つとして、社内再教育、キャリアパスの多様化、スキルチェンジの推奨、応募による社内転職などが推進されてきたわけですが、ここへきて就業規則の見直しをして、兼業や副業を認める方向性を政府主導で行おうとしています。

一方で時間外労働の上限規制をして、労働時間の短縮化をもくろんでいながら、労働時間を増やすような兼業・副業を推進するのは矛盾ではないかという議論も一部にありますが、これこそ多様な働き方の一つの突破口になると思います。つまり、これまでの社内転職の枠を社外にも広げ、転職ではなく、兼業・副業により自らの可能性を広げる猶予期間ともなり、起業のための修業期間ともなります。

 

長くなりました。この続きはまたのちほど。。。

 

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障害者の法定雇用率引き上げ

明けましておめでとうございます。

戌年は、景気が良くなる年だとか。そのようになることを祈ります。0600

 

さて、本年は、2月~3月には韓国平昌(ピョンチャン)でのオリンピック、パラリンピック、6月には、ロシアでのサッカーワールドカップなどスポーツの分野での大きなイベントがある年ですが、オリンピックのみならず近年では、パラリンピックでも多くの感動が期待できます。

 

パラリンピックは障害者のスポーツの祭典ですが、本年は、4月から障害者の法定雇用率が引き上げられる年でもあります。

法定雇用率

法定雇用率とは、障害者に対して一般労働者と同じ水準で常用労働者となる機会を与えることを目的として設定されていますが、この雇用率が、4月1日から下表のように0.2%引き上げられます。

 

障害者雇用率

 

この場合の計算式の分母は、「1年を超える雇用実績または見込みがある従業員」の数を指し、パート・アルバイトなど労働時間が20時間以上30時間未満の従業員は0.5人としてカウントします。従って民間企業の場合、4月以降は、45.5人にひとりの障害者を雇用することになります。

除外率

そうはいっても、一般に障害者の就業が困難と認められる建設業、医療業、幼稚園等の職種では、計算式の分母(上で述べた従業員の数)をそれぞれ一定割合で除外することができます(建設業の場合、20%、医療業の場合、30%、幼稚園の場合、60%)。ただし、除外率は段階的に縮小の傾向があります。

精神障害者も雇用対象に

今回、法定雇用率を引き上げることになった要因は、これまでは除外されていた精神障害者も法定雇用率の対象になるからです。ここでいう「精神障害者」とは、精神障害者保険福祉手帳を持っている人のことをいいます。

 

雇用する側には、これまで以上に適材適所に人員を配置し、上司や同僚とのコミュニケーション、緊急時の対応ルール、連絡網、相談窓口の設置等の充実を図ることで、全従業員が働きやすい環境の構築が求められます。

 

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「東大ルール」取り下げの波紋

「東大ルール」が昨今話題になっていましたが、12月19日にその東大が厚生省で記者会見を開き、「東大ルール」を撤回する旨の発表をしました。そもそもこの「東大ルール」とは何でしょうか。また、なぜ撤回したのでしょうか。

「無期転換ルール」

「東大ルール」を説明する前に、労働契約法第18条、平成25年4月1日施行の「無期転換ルール」から話を始めなければなりません。

「無期転換ルール」とは、労働契約に関して、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
平成25年4月1日施行ですので、この日に(通算)5年の有期契約で労働を始めた有期労働者が、平成30年4月1日付けで再雇用されれば、通算5年を超えることになるので、労働者の申し込みにより、次の契約は無期労働契約にしなければならなくなります。

「東大ルール」とは

「無期転換ルール」では、無期転換をするには通算5年を超えての再雇用が条件になるので、通算5年になる前に雇止めが多く起こるのではないかと懸念されています。「東大ルール」もまたこの雇止めの応用編なのですが、その方法が少し巧妙です。東大では、平成25年4月1日以降、教職員を正規に採用する以外は雇用期間は5年が限度とあらかじめ宣言して、この条件をのんだ人を有期契約労働者として採用してきました。「特任教授」と呼ばれている教授陣はみなこの契約で採用されています。パートタイムで仕事をする事務職などの職員も含めると、その数は8000人ほどいるそうです。
しかし、5年を超えてでも研究や職務を続けてもらいたい教授、准教授、助教やパートタイムの方々もいるわけで、一律5年で雇止めはしたくない、とはいえ予算などの関係でこの方々を全員無期契約にも転換できないという東大側の思惑があり、東大は、「クーリングオフ」という制度でつじつまを合わせました。クーリングオフとは、一定期間(6か月間)以上、時間をおけば、同じ仕事に復帰しても、前後の期間を通算しないというものです。つまり通算5年採用後、6か月間のクーリングオフ期間をおいて同じ職務に再雇用すれば、通算はできないので無期契約をしなくてもよくなります。

結局撤回、「問題提起で雇止めしにくくなる」と

この東大のやり方が昨今話題になり、他の大学や企業も同じことをするのではないかと懸念されていましたが、雇用の安定という法の趣旨を捻じ曲げているなどと批判があるなか、東大はこのルールを結局撤回することにしたと発表しました。その時の東大の言い分は、「東大ルール」が話題になり、多くの議論を生んだ結果、撤回ということになったのだから、今後は、他の大学や企業で雇止めをしにくい状況が作れた、これこそが目的だったのだというような趣旨のことを言っています。転んでもただ起きない姿勢に違和感を覚えますが、いよいよ平成30年4月1日に「無期転換ルール」が有効になります。無期転換については、今後とも注目してゆきたいと思います。

 

 

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介護事業者の法令順守の重要性

2025年問題を持ち出すまでもなく、高齢化に伴う介護事業の必要性、重要性は増すばかりですが、介護に携わる者が十分にその能力を発揮し、高邁な志を維持して日々の業務にあたっているかというと、他の業界以上に職場環境や仕事の仕方に問題を含んでいるように感じます。

 

社会福祉施設の4分の3が違反事業場

ある調査結果によると労働基準法他に対する違反状態にある事業場は、社会福祉施設の場合、わかっただけでその75.1%におよんでいるそうです。これは、社会福祉施設に悪意があるわけではなく、その業態からくる複雑な業務形態で、何が順法で何が違法かが共有されていないからではないでしょうか。

違反の内容

調査した社会福祉施設での労働基準法に対する違反項目を挙げると、
・年次有給休暇の与え方が違法
・賃金不払い
・休憩時間が違法

・割増賃金が違法

・・・

と、就業規則に明記すべきもの、あるいは明記されているにもかかわらず違法な状況で日々の運営がされていることになります。

社会福祉施設特有の就業

社会福祉施設の中で、老齢介護についていうと、24時間介護を特徴とする有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの場合、ケアワーカー等の業務形態は、1箇月単位の変形労働時間制を採用しなければ回りません。このことは、必然的に共有されているようですが、問題は、ケアワーカー等の日々の業務割り当てが違法になっていることが多く見受けられる点です。必ずしも余裕のない人員構成で、休日の取り方、1箇月の総労働時間の管理等を合法に行い、しかも24時間必ずひとり以上の介護職員がいるよう職員を配置しなければサービスが充足できない状況は、管理者にとってもケアワーカー等にとっても過酷な状況です。

また、人が業務にあたる以上、労働環境を含む安全衛生対策も欠かせないものとなります。とりわけ、ケアワーカー等の職業病とでもいうべき「腰痛」対策は、転倒対策とともに日頃からリスクアセスメントを構築し「想定」しておかなければなりません。

退職理由は人間関係

介護職の退職までの定着期間は、平均4.7年という統計もあります。出入りの激しいこの状況は、何に原因があるのでしょうか。上で述べた就労環境の問題だけではなく、退職理由のトップは、「人間関係がわるくなって」でした。これを「意外」ととるか「納得」ととるかは、業界への関わり方の濃淡かもしれませんが、労務管理の観点からこの点をどうやって改善するかは、大きな課題になります。
介護の仕事は、「能力」や「経験」だけではなく、福祉に対する「情熱」が欠かせません。この「情熱」を維持してもらうための労務管理が必要になってきます。しかしながら一方で、「情熱」が労働時間とボランティアの境界をあいまいにします。このあいまいな境界が、管理職と現場の担当者の見解の相違となったり、現場の担当者同士の微妙な見解の相違を生み出しています。このような特質を踏まえたうえでの労務管理上の「処遇」、「評価」、「能力開発機会」をどう組み立てるかが介護業界の今後を左右するキーワードではないでしょうか。

 

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解雇無効時金銭救済制について

 

解雇無効時金銭救済制度

何らかの理由で解雇を言い渡された労働者が裁判によって「解雇無効」を勝ち取ったと場合、職場復帰が叶うわけですが、この制度が成立すると、職場復帰に替わる金銭(救済金)の支払いで労働契約を終了できるというものです。

 

制度導入の趣旨

本制度導入の趣旨は、解雇無効により職場復帰ができる状況になっても、実際には職場復帰せず、退職を選択する労働者が一定数いて、その際、わずかな和解金しか手にしていないという状況を踏まえて、きちんとした金銭解決ルールがあれば、それなりの救済金をもらって退職ができるようになるというものです。

 

連合など労働者側の反論

連合などの反論は、解雇無効になるような「不当解雇」でも、救済金を払えば、労働者を合法的に解雇できる制度の創設になるというものです。

 

労働者の意思が大事

双方の意見が対立したまま労働政策審議会の審議の開始見通しさえ立たない状況ですが、肝心なのは労働者(当事者)の意思ではないでしょうか。解雇無効を勝ち取った労働者は、職場に復帰するもよし、退職するもよし、自分がどうしたいかです。つまり、連合などの反論を払拭するには、本制度ができたからといって、解雇無効時に無条件で救済金を払って退職にできるという制度にするのではなく、当事者本人が職場復帰を望めば、救済金による解雇はできないとすればよいのではないでしょうか。

 

むしろ職場復帰後のケアまで議論してほしい

当事者が退職を選択した場合、「不当解雇」だったという使用者責任に見合った救済金を出すように制度化することはもちろんですが、むしろ職場復帰を選択した場合、裁判を戦った会社と当事者との対立関係をそのまま、復帰した職場に持ち込むことのないよう、職場復帰後の当事者に対するケアについてまで踏み込んだ議論がされることを願います。

 

 

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