「東大ルール」取り下げの波紋

「東大ルール」が昨今話題になっていましたが、12月19日にその東大が厚生省で記者会見を開き、「東大ルール」を撤回する旨の発表をしました。そもそもこの「東大ルール」とは何でしょうか。また、なぜ撤回したのでしょうか。

「無期転換ルール」

「東大ルール」を説明する前に、労働契約法第18条、平成25年4月1日施行の「無期転換ルール」から話を始めなければなりません。

「無期転換ルール」とは、労働契約に関して、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
平成25年4月1日施行ですので、この日に(通算)5年の有期契約で労働を始めた有期労働者が、平成30年4月1日付けで再雇用されれば、通算5年を超えることになるので、労働者の申し込みにより、次の契約は無期労働契約にしなければならなくなります。

「東大ルール」とは

「無期転換ルール」では、無期転換をするには通算5年を超えての再雇用が条件になるので、通算5年になる前に雇止めが多く起こるのではないかと懸念されています。「東大ルール」もまたこの雇止めの応用編なのですが、その方法が少し巧妙です。東大では、平成25年4月1日以降、教職員を正規に採用する以外は雇用期間は5年が限度とあらかじめ宣言して、この条件をのんだ人を有期契約労働者として採用してきました。「特任教授」と呼ばれている教授陣はみなこの契約で採用されています。パートタイムで仕事をする事務職などの職員も含めると、その数は8000人ほどいるそうです。
しかし、5年を超えてでも研究や職務を続けてもらいたい教授、准教授、助教やパートタイムの方々もいるわけで、一律5年で雇止めはしたくない、とはいえ予算などの関係でこの方々を全員無期契約にも転換できないという東大側の思惑があり、東大は、「クーリングオフ」という制度でつじつまを合わせました。クーリングオフとは、一定期間(6か月間)以上、時間をおけば、同じ仕事に復帰しても、前後の期間を通算しないというものです。つまり通算5年採用後、6か月間のクーリングオフ期間をおいて同じ職務に再雇用すれば、通算はできないので無期契約をしなくてもよくなります。

結局撤回、「問題提起で雇止めしにくくなる」と

この東大のやり方が昨今話題になり、他の大学や企業も同じことをするのではないかと懸念されていましたが、雇用の安定という法の趣旨を捻じ曲げているなどと批判があるなか、東大はこのルールを結局撤回することにしたと発表しました。その時の東大の言い分は、「東大ルール」が話題になり、多くの議論を生んだ結果、撤回ということになったのだから、今後は、他の大学や企業で雇止めをしにくい状況が作れた、これこそが目的だったのだというような趣旨のことを言っています。転んでもただ起きない姿勢に違和感を覚えますが、いよいよ平成30年4月1日に「無期転換ルール」が有効になります。無期転換については、今後とも注目してゆきたいと思います。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

介護事業者の法令順守の重要性

2025年問題を持ち出すまでもなく、高齢化に伴う介護事業の必要性、重要性は増すばかりですが、介護に携わる者が十分にその能力を発揮し、高邁な志を維持して日々の業務にあたっているかというと、他の業界以上に職場環境や仕事の仕方に問題を含んでいるように感じます。

 

社会福祉施設の4分の3が違反事業場

ある調査結果によると労働基準法他に対する違反状態にある事業場は、社会福祉施設の場合、わかっただけでその75.1%におよんでいるそうです。これは、社会福祉施設に悪意があるわけではなく、その業態からくる複雑な業務形態で、何が順法で何が違法かが共有されていないからではないでしょうか。

違反の内容

調査した社会福祉施設での労働基準法に対する違反項目を挙げると、
・年次有給休暇の与え方が違法
・賃金不払い
・休憩時間が違法

・割増賃金が違法

・・・

と、就業規則に明記すべきもの、あるいは明記されているにもかかわらず違法な状況で日々の運営がされていることになります。

社会福祉施設特有の就業

社会福祉施設の中で、老齢介護についていうと、24時間介護を特徴とする有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの場合、ケアワーカー等の業務形態は、1箇月単位の変形労働時間制を採用しなければ回りません。このことは、必然的に共有されているようですが、問題は、ケアワーカー等の日々の業務割り当てが違法になっていることが多く見受けられる点です。必ずしも余裕のない人員構成で、休日の取り方、1箇月の総労働時間の管理等を合法に行い、しかも24時間必ずひとり以上の介護職員がいるよう職員を配置しなければサービスが充足できない状況は、管理者にとってもケアワーカー等にとっても過酷な状況です。

また、人が業務にあたる以上、労働環境を含む安全衛生対策も欠かせないものとなります。とりわけ、ケアワーカー等の職業病とでもいうべき「腰痛」対策は、転倒対策とともに日頃からリスクアセスメントを構築し「想定」しておかなければなりません。

退職理由は人間関係

介護職の退職までの定着期間は、平均4.7年という統計もあります。出入りの激しいこの状況は、何に原因があるのでしょうか。上で述べた就労環境の問題だけではなく、退職理由のトップは、「人間関係がわるくなって」でした。これを「意外」ととるか「納得」ととるかは、業界への関わり方の濃淡かもしれませんが、労務管理の観点からこの点をどうやって改善するかは、大きな課題になります。
介護の仕事は、「能力」や「経験」だけではなく、福祉に対する「情熱」が欠かせません。この「情熱」を維持してもらうための労務管理が必要になってきます。しかしながら一方で、「情熱」が労働時間とボランティアの境界をあいまいにします。このあいまいな境界が、管理職と現場の担当者の見解の相違となったり、現場の担当者同士の微妙な見解の相違を生み出しています。このような特質を踏まえたうえでの労務管理上の「処遇」、「評価」、「能力開発機会」をどう組み立てるかが介護業界の今後を左右するキーワードではないでしょうか。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

有給休暇の取得期間の短縮

初めての年次有給休暇

厚生労働省は、入社後初めて年休を取得できるまでの期間である6か月を短縮するよう指針を示しました。これまで、転職をすると、転職後6か月間に出勤率を8割以上確保しないと年次有給休暇が付与されないというものでした。法律の改定ではないので、今まで通りの就業規則でも違法ではありませんが、厚生労働省が、10月1日付けで上記のガイドラインを示したのです。具体的にどのくらいに短縮するかは個々の企業の実情を踏まえて決めることになります。

20日間に到達する期間

また、同時に、これまでは入社後6年半勤務をしないと、年次有給休暇が20日間にならなかったものを、これももっと早く20日間に達するようガイドラインで求めています。

公民権の行使、キッズウィーク

このほか、公民権(選挙権、被選挙権など)の行使や公の職務を執行する労働者(例えば、裁判員に任命された場合など)には、休暇制度を設けるのが好ましいとしています。またさらに、子供の学校休業日に合わせて年休取得ができるよう配慮することも述べられています。

 

このところ最低賃金の引き上げ、同一労働同一賃金、定年の延長そして、有給休暇の付与期間の短縮と経営する側には頭の痛い状況になりつつありますが、生産性を向上して収益を上げ生き残るためには、労働者と一体となった経営無くして実現はできない分けで、労使がそれぞれの主張を曲げずに争っている場合ではない厳しい環境にさらされているなかで、労使ともに回答を見つけてゆく必要があります。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「無期転換ルール」をもう一度

来年4月から施行される「契約社員、パート・アルバイト」(以降パート社員等という)に対する「無期転換ルール」が、パート社員等に周知されていない状況です。この度、連合が行った調査結果で、「無期転換ルール」の内容を知らない当事者が84%に上ることがわかりました。現状の労働条件に不満があり、「できれば、契約期間の無い労働条件」を望んでいるパート社員等は、是非知っておくべき改正です。

無期限の労働契約にできます

働く者の事情、生活スタイル等により、あえて期間を定めて仕事に就く等の選択肢があることは重要ですが、中にはやむを得ず、期間を定めての労働契約しか結べなかったという人には、朗報となる法改正が来年4月から施行されます。これまで有期契約が何回か更新されながら、同じ会社で通算(契約と新契約の間が6ヵ月以下の空白期間であること)5年を超える場合、事業主に申し出れば、事業主は、当人との次の契約で、無期限の労働契約にしなければなりません。このルールは、パート社員等が申し出ることが必要なので、パート社員がこのルールを知らなければ、無期限の労働契約に変えることはできません。

金属労協は一歩踏み込んだ方針を表明

上記の「無期転換ルール」では、契約期間を無くすこと以外は、それまでと同じ労働条件で良いことになってますが、金属労協では、この機会に、契約期間を無くすだけでなく、他の労働条件も他の一般社員と同じにする(実質的正社員化)方針を示しています。

新ルールの周知は、会社の義務

新ルールを知っているパート社員等と知らないパート社員等との不公平を無くすために、会社は、就業規則等に明文化し、広くパート社員等にルールの内容を知らせる必要があります。今回の連合の調査で、「無期転換ルール」を知っていた人に何から知ったのかを尋ねたところ、「マスコミ」からが半数以上、「勤務先からの説明」が3割強だったとのことです。会社は、就業規則等の「会社のルールブック」を活用して社員に正当な情報の提供をしなければなりません。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

36協定はありますか

時間外労働 休日労働に関する協定(いわゆる36協定)の特別条項が締結されていれば、時間外労働が無制限にもできたこれまでの労働基準法に、特別条項を締結していても時間外労働時間に上限を設けることとする改正がされましたが、その前にそもそも残業を命じるためには、36協定が必要であることを知っている労働者は5割半という調査結果を連合が発表しました。

36協定がないと残業は許されない

毎日のように残業をしている労働者もその半数は、残業の法的根拠である36協定が必要であることを知らないということですので、もう一度、36協定を復習しましょう。
会社が労働者に残業や休日出勤を命じることができるのは、従業員の過半数で組織する組合又はそのような組合がない時は、従業員の過半数を代表する従業員代表と協定を結び、その内容を労働基準監督署に届け出なければなりません。

36協定で決められる時間外労働時間の上限

下の表のように、36協定で労使が協定できる労働時間の上限が決められています。

上限 1年単位の
1日 8時間 変形労働
1ヶ月 45時間 42時間
1年 360時間 320時間

今回の連合の調査によると、36協定を締結していない企業が17%です。この17%の企業は、残業も休日労働もないハッピーな会社なら何の問題もありません。
36協定を締結していないが17%この協定に違反すると、労働基準法32条(労働時間)または、35条(休日)違反であり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。 ただし、36協定内で特別条項を決めておけば、この上限を超えて残業が許されることになります。特別条項にも、この条項を発行するのは、やむを得ない繁忙期に限るとか、年に6回までとなっていますが、これまでは、事実上の無制限にもなり得ました。そこで、改正労働基準法では、特別条項を決めていたとしても、残業は「月100時間未満」とし、「年間720時間」の上限を設けました。720時間の枠内であれば、2カ月から6カ月の平均では「80時間」、1カ月では「100時間」を基準に時間外労働をできるようにします。ただし月45時間を超える残業は最大で年間6カ月までしかできません。

また、自社が36協定を締結しているかどうかわからないという労働者が38%でした。残業の根拠となる労使協定の存在さえ知らずに残業をし、過労に倒れるということがないよう、労働者一人ひとりが、労働に対する自覚をもって会社の労働環境、自分の労働契約をもう一度確認してみてはいかがでしょうか。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

経営力向上、正社員化で助成金も

非正規雇用労働者(非正社員)の評価

人・モノ・金・情報といわれる企業の財産のうち、人については、非正社員の割合が増え続けています。経営側にも労働者側にもあるそれぞれの事情で、非正社員として企業に係ることになったわけですが、経営側は、非正社員の業務能力等の評価をしているでしょうか。短期間の腰掛的存在として、いわば使い捨てにしていませんか。非正社員の中には、それまでの仕事で培った経験とノウハウを持ち合わせている人を含め多彩なキャリアがあるはずです。正社員に対して半期に一回くらいの頻度で行われている人事評価と同レベルのものは、実際上難しいかもしれませんが、日常仕事を共にしている先輩社員や上長が感じている非正社員の評価を随時吸い上げ、評価することは、増え続ける非正社員の戦力化の観点から重要だと思います。

キャリアアップ助成金

一方、厚生労働省は、「キャリアアップ助成金」という形で非正社員のキャリアアップを推進しています。当初は、正社員への人材育成を目的にしていたものですが、この対象者を非正社員にひろげ、「正社員化コース」、「人材育成コース」、「処遇改善コース」として整理し、今年4月1日からは、助成金額も充実させています。今年2月にこのコラムでも「雇止めより助成金という選択」を掲載していますが、4月以降の改正部分を中心に、もう一度見てみたいと思います。

ねらい目は「正社員化コース」

3つのコースに整理された、非正社員を対象としたキャリアアップ助成金ですが、企業側から取り組みやすい「正社員化コース」について見てみましょう。このコースの助成金を得るための企業の条件は、実際に申請するには細かな規定がありますが、通常の経営をされている企業にとって、無理難題を押し付けるものではないので、ここでは触れません。

助成金額の中でも多額なケースは、非正社員(中でも有期契約の者)を正社員に転換すると一人当たり60万円(中小企業の場合。同年度当たり15名が限度。15名が認定されれば、900万円。)です。非正社員の働きを評価し、能力等において十分に評価できる人材であれば、正社員化への当人の希望も加味した上で、正社員に転換することは、経営上の何のデメリットにもなりません。それでいて、助成金が支給されるならこれはねらい目の助成金です。以前、正社員の人材育成に関するキャリアアップ助成金に係り、申請、受給にまで至った経験がありますが、人材育成の場合、育成期間内に当初の計画と異なる状況に至ったときの変更申請の工数、育成教材の正当性(助成金に値するか)の証明、それらを含む受給に至るまでの時間の長さを痛感しました。正社員への転換について、当初の計画や規程をしっかりしておけば、計画実行段階での変更申請がないであろうこと等から「正社員化コース」を薦めます。

申請の条件

企業としての条件には触れませんが、「正社員化コース」での申請、受給に必要なその他の条件を見てみましょう。

キャリアアップ計画の作成・提出

企業(事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、非正規社員のキャリアアップ計画を立てなければなりません。助成金を申請するには、企業としての取り組み姿勢を必ず問われるので、これは作りましょう。難しいものではありませんが、非正社員を正社員に転換する1か月前までには、(ハローワーク経由)管轄労働局長に提出する必要があります。また、同時期に就業規則や労働協約、またはこれに準じるもので、この転換制度について規定し、労働組合等の意見を聴取し、社員に説明しておきます。

就業規則の変更・届出

就業規則で規定する場合は、就業規則の変更になるので、必ず労働組合等の意見を聴取し、労働基準監督署に届けておきます。

申請時期

キャリアアップ計画に基づき、就業規則や労働協約、またはこれに準じるもので規定した方法で非正規社員を正規社員に転換するタイミングですが、まず転換するまでには、非正社員として6か月以上契約している者が対象になります。その対象者の中から正社員に転換します。そして、正社員に転換して6か月経過した時点で、その後2か月以内に「正社員化コース」の助成金を申請します。非正社員のキャリアアップが目的の助成金なので、助成金申請のためだけに、非正社員を雇い入れ、すぐに正社員化して申請ということが無いように、転換までに非正社員として少なくとも6か月、正社員として申請までにもう6か月は、雇用している(給与を支払っている)ことを求めています。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

必要な研修は、就労時間内に

慣習?としての誤解

企業の総務部門はそれほど誤解しているとは思えませんが、非管理部門の各部や現場部門の管理職(リーダーを含む)に研修と就業時間との誤解が非常に多いように感じます。研修といっても色々あるわけですが、ここで問題にするのは、就業日初日の研修(オリエンテーション的なもの)や、入社後の新人研修、業務の変更に伴う業務上の引継ぎ研修、その他業務を行う上での必須事項のことです。

就業初日の研修(オリエンテーション)に関しては、特に派遣先企業での受け入れ時において、就業日初日のオリエンテーションが終了してからその日の始業時刻を記録していませんか。もちろん、これは労働基準法違反です。「身近な上司や先輩管理職からそう聞いている」と、特にそのことに疑問を持つこともなく慣習として、この種の研修を労働時間外にしているようです。

労使紛争となる前に

多くのケースでは、労働者はその状況に疑問や不満を感じても、「これからこの会社にお世話になるから」、「あたらしい部門でお世話になるから」と、あえて争いの種をまこうとしないのかもしれませんが、このような事象は、何か他の事案で不満が表面化したときに、そういえばあれもこれもと表面化する火だねになります。企業(管理部門)は、他部門の管理職(リーダーを含む)への研修で、正しい行動をとるよう徹底しなければなりません。

就業規則の見直し

社員が10名以上の企業では、就業規則があるはずです。管理部門の社員は、もう一度、何が書かれているのか確認してみてください。法律に係るような企業のルールは、必ず書かれています。近来、労使紛争を事前に防ぐ方策として、就業規則を見直すことが良く行われています。紛争が起こったとき、結局は、就業規則、労働協約、労働契約など明文化されたもので判断されることが多いので、特に企業ルールをあらかじめ示した就業規則をアップデートしておく必要があります。就業規則は、最低限の記載事項(絶対的記載事項と相対的起算事項)を満たせば、あとは、考え得る労使紛争を未然に防ぐための規定をいくらでも盛り込むことができます。就業規則は、労働組合又は労働者代表の意見を添付すれば、労働基準監督署は、何度でもその変更を受理してくれますので、一度決めたらもう変えない(変えてはならない)という固定観念を捨てましょう。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

マグマは溜まっている、非正規社員

多様な働き方ってきれいごとすぎる

必要な時に自分がしたい仕事を一定期間する生き方も尊重されなければならないから選択肢としての非正規社員にも配慮しなければならないという意見を聞くことがある。人の生き方をいわれれば、他人がとやかく言うことではないからこの論旨に反論はできない。しかし、実際は大半の非正規労働者が、できれば正規労働者(正社員)になりたいと思っているのではないだろうか。その理由は、単純明快で、正規労働者との給与、教育、福利厚生面で格段の差があるからだ。

同一労働同一賃金だって?

安倍内閣は、ここのところ「同一労働同一賃金」を言い出した。非正規労働者が40%にもなると、これはもう放置するわけに行かないので、まずリップサービスでガス抜きをしようということか。しかしこれは、「連合」が、正社員の既得権益を脅かされそうだということでどう反対しようと、リップサービスだと揶揄されようと実現に向けて具体的に動かなければならない局面にきている。

安倍内閣の危うさ

アベノミクスの輝きに陰りが出てきた昨今、徐々に国民も安倍内閣の危うさを感じ始めている。「保育所落ちた日本死ね!!!」が、そのうち「正社員になれない日本死ね!!!」の叫びになりかねない。もちろん、安倍内閣はそのことを感じているから「同一労働同一賃金」、「一億総活躍社会」のスローガンを唱えたというべきか。来年4月の消費税引き上げ延期をノーベル経済学賞受賞者を「黒船」にして土壌づくりを始めているが、安倍内閣は大丈夫なのか。

常に就業規則等の見直しを

非正規社員を雇用している企業では、労働者派遣法、雇用契約法など非正規社員を取り巻く規定が改定されています。常に社会環境の変化を敏感に察知し、就業規則等関係規程が、時の経過とともに不備なものにならないよう見直し、必要なら改定をする姿勢が求められます。

 

お問い合わせ、ご相談は、当事務所ホームページの「ご相談フォーム」または、下記にお寄せ下さい。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
info@axis-sr.jp
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

未払い残業代の縮小、回避

あらゆるところで労基法違反

残業代の未払い」に関して、労使の間で何となくそれまでの慣習や成り行きで行われてきたことが、労働基準法に照らし合わせると、使用者(会社)側に不利に働くことが多くあります。最も多いケースが、就業開始時刻までの準備のための時間です。
例えば、作業着の着用を義務付けているのに、作業着への着替え時間を就労時間の外にしている。「未払い」という点では、残業代ではありませんが、当日、使用者側の理由で、臨時休業(または、派遣労働者だけ待機)にした場合、「今日は休み」の連絡を入れるだけで済ませている(休業手当の不支給)なんてことはありませんか。

縮小、回避策

上の例は、使用者側に不見識ですが、残業とは何かを改めて考えると、「残業代の未払い」のある部分を縮小、あるいは回避できます。それは、労働者の就業時間を使用者が100%把握するという基本を守ることです。
つまり、残業命令を使用者が出しているのか、労働者が事実上毎日の残業の有無を決めているのかで大きく異なります。

自ら「ブラック」になっている

自分の残業を労働者が決めているという現実は、どの会社でもよく見かける光景ですが、使用者がその実態を良しとしているなら、その時間に対する残業代を支払わないのは「未払い」となります。あるいは、残業代未払いの隠れ蓑として、少し高度な企業では、「裁量労働制」を採用しているという話も聞きますが、労働基準法をうまく利用したつもりが、実は、「裁量労働制」の真意を解さず、隠れ蓑としてだけで導入すると、開けてはいけない「ブラック企業」への門を開けてしまう結果になりかねません。

就業規則の見直し

「未払い残業代」の縮小、回避策として労働基準法等から隠れ蓑を探すのではなく、いまの御社の就業規則を見直すことをしてはいかがでしょうか。労働時間の管理を使用者(会社)側に取り戻すための正当な見直しと変更をすることで、適正な残業代の支払いが行える解決への糸口を見いだすことができます。
「コラム」という制約上、どうしても粗削りな言い回しや記事の内容になってしまい勝ちですが、要するに御社の基本規程である「就業規則」を未払い残業代に限らず、課題ごとに常に見直すことで、多くの問題解決の糸口を見出すことができるということなんです。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆Axis◇◆◇
アクシス社会保険労務士事務所
243-0021 神奈川県厚木市岡田3050
厚木アクストメインタワー3F C-6
046-230-5600
◇◆◇Axis◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

マイナンバーと扶養控除申告書

年末調整の季節

年末調整手続に必要な各保険会社からのこの1年間の保険料支払証明が届いていることでしょう。企業に勤める給与所得者には、毎月の源泉徴収税を年末に調整できる良い機会だと思います。保険料や確定拠出年金等の拠出金のある方は、年末調整をすることで多くの場合、還付金が得られることになるので、遅れることのないよう必要資料を社内とりまとめ部署に提出していただければと思います。

「給与所得者の扶養控除申告書」

この年末調整に係る提出書類の一つに給与所得者の扶養控除等(異動)申告書があります。企業及び労働者にとって、退職等を除き、通常の業務では、個人番号を会社に通知し、会社が個人番号取扱事務処理を行う、社会保険関連の最初の作業になります。通常は、年末調整に必要な書類の中にこの扶養控除申告書があり、そこには、今回から個人番号を記入する欄が新設されているので、そこに提出者、配偶者扶養親族の個人番号を記入して提出することになります。

個人番号収集手順の再確認を

このように、具体的な作業が始まる今こそ、個人番号を含む特定個人情報を扱う部署では、個人番号を収集(取得)する手順を再確認してみてはいかがでしょうか。
1.従業員に個人番号(マイナンバー)について周知しているか
2.扶養親族の個人番号も含め、個人番号の利用目的を明確にしているか
3.個人番号取扱事務担当者(責任者)を決め、そのタスクを明確にしているか
4.収集した個人番号が漏えいすることのないよう組織的、人的、物理的、技術的安全措置
を明確にしているか
など。
とりわけ、就業規則の変更による人的安全措置の担保が重要になります。