「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」

今回は、「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」を紹介します。

その前に、

無期転換ルール

本年4月から、通算5年以上有期雇用で仕事をしている従業員が、契約満了後、次は無期契約で雇用することを希望した場合、会社は無期契約に転換しなければならなくなります。5年以上も同じ人を同じ業務で雇用しているのなら、その会社にとって必要不可欠な従業員のはずだから、契約満了の無い無期契約で雇えば、会社も、それを望む従業員もハッピーになり、雇用の安定が図れるのではないかという趣旨です。会社にとっては、なかなかハッピーと手放しでいえるものではないでしょうが、そのルールが開始されます。

 

雇止めはダメ

これに対し、無期転換しないで済むように、通算5年に満たないタイミングで雇用の延長をしない、いわゆる雇止めが起こるのではないかと懸念されています。別のコラムにも書いた通り、東大の教職員の大多数が有期雇用であり、東大側は無期転換をしないで済むように「東大ルール」を考え、結局その実行を断念したという経緯があるように、高い関心を示しています。

助成金

無期転換ルールが実施されることからは避けられない以上、無期転換または、正規雇用をすることで助成金を得るという方法があります。たとえば、「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」がそれです。

この助成金は、

1.それまで有期契約をしていた従業員を正当な方法で評価し、

①無期契約に転換する

②正社員にする

 

2.それまで無期契約をしていた従業員を正当な方法で評価し、

①正社員にする

 

3.派遣で採用していた従業員を正当な方法で評価し、

①正社員(直接雇用)にする

ことで、申請が可能になります。

 

法律の転換点を前向きにとらえ、責めの経営で助成金を得てみてはいかがでしょうか。

助成金に関する諸手続きは、実績豊富な当事務所にお任せください。

ご相談はお気軽に、メール等をお寄せください。

 

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育休・介護休業関連助成金

 

今回は、育児休業や介護休業に関連する助成金についてみてみましょう。

 

関連助成金として、「両立支援等助成金」を取り上げます。この助成金の各コースは、以下の通りです。

 

①事業所内保育施設コース ④育児休業等支援コース
②出生時両立支援コース ⑤再雇用者評価処遇コース
③介護離職防止支援コース ⑥女性活躍加速化コース

この中で、①事業所内保育施設コースは、募集を停止しているので省略します。また、⑥女性活躍加速化コースも育児休業、介護休業と直接かかわらないので省略します。

②出生時両立支援コース

 男性が育児休業を取得しやすい職場風土づくりの取り組みを行い、男性に一定期間の連続した育児休業を取得させる。
 助成金の額(生産性向上に関する額は省略します。以下同じ。)
中小企業 中小企業以外
育休1人目 57万円 28.5万円
育休2人目以降 14.25万円


③介護離職防止支援コース

 仕事と介護の両立に関する職場環境整備の取組を行い「介護支援プラン」を作成し、介護休業の取得・職場復帰または、働きながら介護を行うための勤務制限制度の利用を円滑にするための取り組みを行う。
 助成金の額
中小企業 中小企業以外
介護休業の利用 57万円 38万円
介護制度の利用 28.5万円 19万円

④育児休業等支援コース

「育休復帰支援プラン」を作成し、プランに沿って社員に育児休業を取得、職場復帰させる(中小企業のみ)。

助成金の額

休取得時 28.5万円
職場復帰時 28.5万円
育休取得者の職場支援の取組みをした場合 19万円

⑤再雇用者評価処遇コース

 妊娠、出産、育児または介護を理由として退職した者が、就業が可能になったときに復職でき、適切に評価され、配置・処遇される再雇用制度を導入し、希望する者を採用する。
 助成金の額
中小企業 中小企業以外
再雇用1人目 38万円 28.5万円
再雇用2~5人目 28.5万円 19万円
どのような手順で計画し、申請にまで結びつけるかについてのノウハウがあります。この助成金を検討するときは、お問い合わせください。
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既存助成金が「生産性向上」で増額される しかし・・・

キャリアアップ助成金や人材開発助成金のような「人気」のある助成金に「生産性の向上」を実現させた場合、助成金が増額される仕組みが追加されています。

キャリアアップ助成金の変更点

1.コースの細分化

従来の3コース(正社員化コース、人材育成コース、処遇改善コース)が、新規コースも含めて8コース(正社員化コース、人材育成コース、賃金規程等改定コース、健康診断制度コース、賃金規程等共通化コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース)に細分化されました。

2.助成金上限額の変更

主な新コースで見てみると、昨年までの助成金額が、以下のように変更されています(3コースのみ抜粋)。

正社員化コース:1人あたり60万円 → 57万円

人材育成コース:1時間あたりの賃金助成金800円 → 760円

健康診断コース:有期契約労働者4人以上の健康診断を実施すると1事業所あたり40万円 → 38万円

3.生産性を向上させると上限が増額

2の上限額に増額され、以下のようになります(3コースのみ抜粋)

正社員化コース:57万円 + 15万円 = 72万円

人材育成コース:760円 + 200円 = 960円

健康診断コース:38万円 + 10万円 = 48万円

生産性の定義

厚生労働省が、助成金の増額対象とする「生産性」を求める式を公表しています。

 

 生産性 = (営業利益 + 人件費 + 原価償却費 + 動産・不動産賃借料 + 租税公課) / 雇用保険被保険者数

 

一方、経営者や、人事部門が気にする「労働生産性」を求める式は、

労働生産性 = 付加価値 / 社員の平均人数

ここで、付加価値 ≒ 限界利益(つまり、粗利益)と考えます。

 

生産性向上の定義

生産性労働生産性も分母は、要するに社員数なので、式の分子をどうとらえるかという、いわば生産性向上の定義が違います。
典型的な要素は、人件費です。労働生産性では、社員の人数を減らせば、分母が小さくなると同時に、人件費分の粗利益が増えるので、労働生産性が向上します。しかし、生産性では、その人件費が分子にあるので、社員の数を減らしても分母、分子ともに小さくなり、生産性の向上にはつながりません

生産性においては、給与を上げ(人件費増)、設備投資を増やす(減価償却費増)等の施策が重要になります。

生産性向上の基準

助成金が増額されるための生産性向上の基準は、支給申請時の直近の会計年度の生産性と3年前の生産性とを比較して、「6%以上」向上していなければなりません。

生産性の課題

生産性も労働生産性も式の分子に利益があります。利益を増大させることで生産性や労働生産性が大きくなることは、当然のことですが、これまでとりわけ日本の市場で声高に言われてきた「顧客満足度(CS)」についてどう考えればよいのでしょうか。一人の顧客にアフターサービスも含めてきめ細かく対応することで顧客満足度を高めてきた手法は、利益を薄くすること=生産性(労働生産性)を下げることになってしまいます。先進国の中では、日本の労働生産性の低さがたびたび指摘されていることから労働生産性の向上が、国の重点項目にもなっている昨今ですが、一方で、評価されている顧客満足度を落とさないよう俯瞰してゆかなければならないと思います。

   

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65歳超雇用推進助成金、5月1日から一部改訂

平成29年5月1日から、65歳超雇用推進助成金の「65歳超継続雇用促進コース」の内容(特に支給額)が変更されました。
支給額については、以下の表のようになっています。

 65歳への定年引上げ66歳以上への定年引上げ定年の廃止66~69歳の継続雇用への引き上げ70歳以上への継続雇用の引き上げ
対象人数5歳未満(引き上げ年齢)5歳5歳未満5歳4歳未満4歳5歳未満5歳以上
1~2人20万円3025404010201525
3~9人251003012012015602080
10人以上301203514514520752595

1事業主当たり(企業単位)1回限りです。
また、例えば定年の引き上げと継続雇用制度の導入を合わせて実施した場合でも、支給額はいずれか高い額です。

 

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高齢者関連助成金が整理統合されました

新年度を迎え、助成金関連もその内容が大きく変わったもの、廃止されたもの統合されたもの等、大きく様変わりしています。今回は、一億総活躍社会の一翼を担うべく、活用及び活躍が期待されている高年齢者の雇用に関する助成金についての変更点の一部を紹介します。

高年齢者雇用安定助成金(高年齢者無期雇用転換コース)は、廃止

高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページで、この「廃止」の文章を見たときは、驚きましたが、その他の助成金の項目までよく読めば、この助成金の名称が廃止になったのであって、助成金そのものは廃止されていないことがわかります。情報の伝達方法としては、最悪のアナウンスだと思います。

65歳超雇用推進助成金に統合

では、この助成金がどこにあるかというと「65歳超雇用推進助成金」の高年齢者無期雇用転換コースと名称を変えて残っていました。一見、65歳超の方を対象にした助成金だから、これまでの、50歳以上の方を対象にした高齢者雇用安定助成金(高年齢者無期雇用転換コース)とは、違うように思われますが、50歳以上65歳以下の方でも65歳超雇用推進助成金の対象者になると書いてあります。

65歳超雇用推進助成金の変更点

この助成金は、4月1日から上記のように高年齢者無期雇用転換コースなどを取り込んで統合されたことが一つの変更点ですが、実は最大の変更点は、もともと「65歳超継続雇用推進助成金」と言っていた助成金が、65歳超継続雇用推進助成金」の65歳超継続雇用促進コースとなって、助成金の支給額が5月1日以降変更されるというところです。
例えば、これまで、就業規則等で定年年齢の廃止をして、60歳以上の正社員がいれば、120万円の助成金が支給されましたが、5月からは、2人まで40万円、3人~9人で120万円、10人以上で145万円に変更されます。

高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページに注目

ここまで、読んでも疲れたと思います。なんだか高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームぺージは難解ですが、しっかり読んで対応してゆかなければなりません。

 

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新設助成金「65歳超雇用推進助成金」

就業規則をすぐ改定しよう

現在の就業規則で定年年齢を64歳以下としているならすぐにでも定年年齢を65歳以上もしくは定年そのものを無くす就業規則に改訂しましょう。「ニッポン一億総活躍プラン」が目指す「生涯現役社会」の流れには、抗しようがない情勢です。であれば、現在の就業規則を見直して、定年年齢を65歳以上に、あるいは定年を無くす就業規則に改訂するなら今がチャンスです。

over65

新たな助成金

平成28年10月19日以降に労働協約または、就業規則を改訂し、定年年齢の引き上げや廃止を行えば、以下のような助成金を得ることができます。

①65歳への定年年齢の引き上げ—100万円

②66歳以上への定年年齢の引き上げまたは、定年の定めの廃止—120万円

③希望者全員を66~69歳まで継続雇用する制度の導入—60万円

希望者全員を70歳以上まで継続雇用する制度の導入—80万円

ただし、例えば①と③とを同時に改訂した場合、高額な方の100万円のみの支給

申請のタイミング

1年以上在席している継続雇用中の社員(例えば60歳定年を迎えてそのまま継続雇用をしている社員)がいれば、就業規則の定年の規定を上記①か②に改訂し、労働基準監督署に届ければ、その時点ですぐに本助成金の申請ができます。
就業規則改定時点で、60歳以上の該当者がいなくても、1年以上在籍している社員の誰かが60才になったとき、本助成金の申請ができます。

就業規則の改定は社会保険労務士へ

この助成金は、就業規則または労働協約の改定を社会保険労務士等の専門職に委託しなければ受給できません。改定時は、ぜひ当事務所にに依頼ください。

 

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高齢者雇用関連助成金を考えよう

一億総活躍社会の実現に向けて、女性や障害者及び高齢者が幅広く生産に寄与できる社会環境整備がされているわけですが、その中にあっても障害者、高齢者等は、とりわけ就職が困難な者とされています。今回のコラムでは、高齢者(60歳以上)に焦点を当てて、高齢者に安定した活躍の場を供給した経営者(会社)に支給される助成金について触れたいと思います。

ハローワーク等による求人

特定求職者雇用開発助成金は、高齢者のみが対象ではありませんが、このコラムでは、高齢者を意識した書き方になります。

助成金では常にそうですが、こと細かな支給要件がある中で、異彩を放つのがこの「ハローワーク(あるいは民間の有料・無料職業紹介事業者)による紹介企業に雇用されること」があります。これは、採用した会社が助成金の対象者であることを忘れてしまっても、対象者が就職後、助成金の支給時期を見計らって、助成金支給申請関連情報をハローワーク等が、雇用企業に知らせてくれるというお役所仕事らしからぬ配慮によります。

その他の主な要件

採用した高齢者(対象労働者)は、一般被保険者として雇用保険に加入すること(必然的に、週20時間以上勤務する65歳未満の人ということになります)。
対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること。

ひとりに対して60万円

特定求職者雇用開発助成金では、採用後半年が過ぎたところで、30万円、さらに半年(採用後1年)が過ぎたところで、再度30万円の支給申請ができます。ただし、(週20時間以上)週30時間未満の短時間労働者の場合は、40万円(20万円+20万円)です。

助成金を申請するために、職場環境を改善したり、特別なルール作りをする必要がないので、高齢者を採用すると決めた企業には無理なく支給申請ができるハードルの低い助成金ではないでしょうか。

 

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パタハラ?いえ、出生時両立支援助成金です

パタニティハラスメント(パタハラ)

いわゆるマタニティハラスメント(マタハラ)はよく知られたところですが、「男性の父性とはどういものか」という古典的固定概念による、上司、同僚等からの、父親の育児参加願望に対するハラスメントのことです。パタハラという言葉は知らなくても、「あるある」と思う、子をもつ男性諸氏は多いのではないでしょうか。

父親の育児参加

厚生労働省は、父親の育児参加をしやすいように企業への助成金により一層推し進めます。どんな助成金にも支給要件があるので、今回の「出生時両立支援助成金」についても支給要件を見てみましょう。
① 連続した14日以上(中小企業事業主にあっては5日以上)の育児休業を取得した男性労働者が過去3年の間いないこと。
② 平成28年4月1日以後に、男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取組みを行っていること。
③ 雇用保険の被保険者として雇用する男性労働者に、子供が生まれて8週間以内に始まる連続した14日以上(中小企業事業主にあっては5日以上)の育児休業を取得させたこと。

 

今回の支給要件の中で、特徴的なのは、2番目の「職場風土づくり」です。これにはどのような取り組みをすればよいのでしょうか。男性社員が育児休業を取りやすくする職場の風土づくりですから、かつて育児を経験しつつもすっかりそのころのことは忘れている男性上司への管理職向けの研修の実施は、重要でしょう。
育児休業制度そのものを説明した資料作りと周知も良いでしょう。

 

ところで、「育児休業」と「育児休暇」は違います。
育児休業……法律に基づいて取得することのできる休業制度

育児休暇……休暇中に育児をする、育児のために休暇を取得すること

中小企業こそねらい目の助成金

助成金目当てに育児休業をさせるのでは、本末転倒ですがこの助成金は、中小企業事業主にとって、魅力的です。なにしろ、上に記述した支給要件を満たせば、最初の育児休業者一人に対して、60万円の助成金が支給されます(翌年度以後、二人目からは、15万円)。中小企業事業主は、男性社員の対象者に育児休業を5日取らせるくらいの余裕をもって、この助成金にチャレンジしてはいかがでしょうか。

その他、細かい注意事項等は、お問い合わせください。

 

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介護関連助成金(新設も含め充実)

介護離職ゼロ第1弾

一億総活躍社会、アベノミクス新三本の矢の3本目の矢である「介護離職ゼロ」に向けて、厚生労働省が打ち出した策の第1弾として、「介護支援取組助成金」が新設されました。

介護支援取組助成金

介護が理由で離職せざるを得ない職場環境の改善を求めて、そのための取り組みをした企業を助成するものです。
その具体的な取り組みとは:

①従業員の仕事と介護の両立に関する実態を把握すること。具体的には、社内アンケートによる情報収集

②介護に直面する前の従業員への支援。具体的には、社内研修の実施やリーフレットの配布

③介護に直面した従業員への支援。具体的には、相談窓口の設置と周知

以上をすべて実施した企業に、60万円(1企業1回のみ)の助成金を支給するものです。
支給申請時には、厚労省が作成したアンケートのフォーマットや、アンケート調査結果報告書、研修実施結果書等を添付する必要があります。

 

その他の支給要件

企業の上記取組のほかに、介護休業や所定労働時間の短縮に関する取り決めが労働協約、
または就業規則(10名以内の企業にあってはそれに準じるもの)に規定されていることであったり、仕事と介護を両立できる職場環境作りの趣旨に基づき、仕事と家庭の両立支援についての取組を紹介するサイトである「両立支援のひろば」に介護休業関係の両立支援の取組を登録していることという条件があります。この辺のことは、社会保険労務士が詳しいので任せればよいでしょう。

 

政府の政策にも合致し、企業内の環境改善にも役立つ取り組みですので是非、上記①~③を実施して、助成金を申請してはいかがでしょうか。

 

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経営力向上、正社員化で助成金も

非正規雇用労働者(非正社員)の評価

人・モノ・金・情報といわれる企業の財産のうち、人については、非正社員の割合が増え続けています。経営側にも労働者側にもあるそれぞれの事情で、非正社員として企業に係ることになったわけですが、経営側は、非正社員の業務能力等の評価をしているでしょうか。短期間の腰掛的存在として、いわば使い捨てにしていませんか。非正社員の中には、それまでの仕事で培った経験とノウハウを持ち合わせている人を含め多彩なキャリアがあるはずです。正社員に対して半期に一回くらいの頻度で行われている人事評価と同レベルのものは、実際上難しいかもしれませんが、日常仕事を共にしている先輩社員や上長が感じている非正社員の評価を随時吸い上げ、評価することは、増え続ける非正社員の戦力化の観点から重要だと思います。

キャリアアップ助成金

一方、厚生労働省は、「キャリアアップ助成金」という形で非正社員のキャリアアップを推進しています。当初は、正社員への人材育成を目的にしていたものですが、この対象者を非正社員にひろげ、「正社員化コース」、「人材育成コース」、「処遇改善コース」として整理し、今年4月1日からは、助成金額も充実させています。今年2月にこのコラムでも「雇止めより助成金という選択」を掲載していますが、4月以降の改正部分を中心に、もう一度見てみたいと思います。

ねらい目は「正社員化コース」

3つのコースに整理された、非正社員を対象としたキャリアアップ助成金ですが、企業側から取り組みやすい「正社員化コース」について見てみましょう。このコースの助成金を得るための企業の条件は、実際に申請するには細かな規定がありますが、通常の経営をされている企業にとって、無理難題を押し付けるものではないので、ここでは触れません。

助成金額の中でも多額なケースは、非正社員(中でも有期契約の者)を正社員に転換すると一人当たり60万円(中小企業の場合。同年度当たり15名が限度。15名が認定されれば、900万円。)です。非正社員の働きを評価し、能力等において十分に評価できる人材であれば、正社員化への当人の希望も加味した上で、正社員に転換することは、経営上の何のデメリットにもなりません。それでいて、助成金が支給されるならこれはねらい目の助成金です。以前、正社員の人材育成に関するキャリアアップ助成金に係り、申請、受給にまで至った経験がありますが、人材育成の場合、育成期間内に当初の計画と異なる状況に至ったときの変更申請の工数、育成教材の正当性(助成金に値するか)の証明、それらを含む受給に至るまでの時間の長さを痛感しました。正社員への転換について、当初の計画や規程をしっかりしておけば、計画実行段階での変更申請がないであろうこと等から「正社員化コース」を薦めます。

申請の条件

企業としての条件には触れませんが、「正社員化コース」での申請、受給に必要なその他の条件を見てみましょう。

キャリアアップ計画の作成・提出

企業(事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、非正規社員のキャリアアップ計画を立てなければなりません。助成金を申請するには、企業としての取り組み姿勢を必ず問われるので、これは作りましょう。難しいものではありませんが、非正社員を正社員に転換する1か月前までには、(ハローワーク経由)管轄労働局長に提出する必要があります。また、同時期に就業規則や労働協約、またはこれに準じるもので、この転換制度について規定し、労働組合等の意見を聴取し、社員に説明しておきます。

就業規則の変更・届出

就業規則で規定する場合は、就業規則の変更になるので、必ず労働組合等の意見を聴取し、労働基準監督署に届けておきます。

申請時期

キャリアアップ計画に基づき、就業規則や労働協約、またはこれに準じるもので規定した方法で非正規社員を正規社員に転換するタイミングですが、まず転換するまでには、非正社員として6か月以上契約している者が対象になります。その対象者の中から正社員に転換します。そして、正社員に転換して6か月経過した時点で、その後2か月以内に「正社員化コース」の助成金を申請します。非正社員のキャリアアップが目的の助成金なので、助成金申請のためだけに、非正社員を雇い入れ、すぐに正社員化して申請ということが無いように、転換までに非正社員として少なくとも6か月、正社員として申請までにもう6か月は、雇用している(給与を支払っている)ことを求めています。

 

 

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