外国人労働者の適用拡大

平成29年11月1日に施行された技能実習制度があまりにも使えない制度なので、拙速と言われながらも政府は外国人労働者の適用拡大に踏み切ったわけですが、受入れ企業の立場に立ってこの拡大に期待するところを書いてみたいと思います。

 

これまでの費用負担

平成29年11月1日に施行された技能実習制度で、外国人を採用してから雇用するまでの流れを簡単に見ておきましょう。
技能実習生を受け入れるには、大きく2つの形態があります。まず、自社の海外支店があったり、現地に取引先企業がある企業が、その企業の社員を実習生として受け入れる「企業単独型」実習生であり、もう一つが、地元の事業協同組合や商工会議所を監理団体として、そこを経由して受け入れる「団体監理型」実習生です。多くの場合は、後者の「団体監理型」実習生になると思います。この「団体監理型」実習生を受け入れるには、(ここに至るまでの過程は省略しますが)現地(外国人の母国)に受け入れ企業の担当者が行き、候補者の選考・決定をすることになります(海外出張費用は自社負担)。そこで、受入れ労働者が決まってからは、申請書類の作成費用、受入れ実習生の日本への渡航費用、受入れ前の健康診断費用、受入れ後の最低1か月間の日本語研修費用、その後の講習費用及びある程度の生活費補助費用が掛かります。

 

技能実習期間は3年間

これだけの予備費用とでもいうべき会社負担金をかけて受け入れた技能実習生は、原則3年で自国に帰さなければなりません。帰してすぐまた呼び戻し、採用してはいけないルールです。一方で、技能実習生といえども講習(日本語研修を含め最低2か月間)を終えたら雇用契約を結ぶ労働者になるので、労働基準法や最低賃金法の適用対象になります。最低賃金も支払われていない技能実習生の実態が明らかになっており、そのことに受け入れ企業側の言い訳の余地はありませんが、現行制度は、技能実習生を受け入れるためにかかる費用に比べて、雇用期間が短かすぎることが、この制度の問題点の一つだととらえることができます。すなわち、技能実習制度は、「国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(一部の最長期間5年間)に限り受入れ、OJTを通じて技能を移転する制度」とする趣旨と、実際に受入れる企業が抱く「人手不足の解消」を目的とする現実に大きな齟齬があるのです。

 

適用拡大である程度解消

今回の適用拡大では、人手不足が深刻な業種で「特定技能1号」制度を創設し、技能実習を3年間続けた場合、「特定技能1号」の労働者として、さらに5年間日本での労働ができるようになります。つまり技能実習3年後に、技能を習得した者として自国に戻って自国の発展に寄与するか、日本で労働を続けるかの選択ができるようになります。これは、実習生本人にとっても、受入れ企業にとっても問題をある程度解消することになるのではないでしょうか。さらに検討すべき課題として、実習生が単身赴任でなければならないなどがありますが、今回の適用拡大は、これまでの理想と現実の齟齬を解消するものにはなるのではないかと考えています。

 

 

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副業・兼業解禁時の労災の落とし穴

安倍内閣による「働き方改革」では、副業・兼業を企業として認める方向性が打ち出されています。この方向性に従って副業・兼業を認めた場合、考えうる頭の体操として、労災の落とし穴について書きたいと思います。

労災保険給付金が少なくなる?

労災保険が認定される場合、本業の企業が認定するか副業・兼業先の企業が認定するかは、どちらの管理監督下で災害が起こったかなので、この点で揉めることは少ないと思われますが、本業の事務所から自宅への帰り道の途中にある副業・兼業の事務所への移動中に起こった通勤災害を考えましょう。この場合も、労災認定をする企業は、移動先の企業になるので明快です。しかし、保険給付額を考えると、給付額は、給付基礎日額(給与の平均日額)で決まるので、副業・兼業先の給与が本業の企業より低い場合(副業であれば給与は本業より低いと思われます)、その日額に基づく給付額となります。副業・兼業をしていなければ、本業の給付基礎日額で計算され、より多くの給付額が得られたのに。。。

 

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上司の在り方

公文書書き換え問題、事務次官のセクハラ問題、女子レスリングのパワハラ問題、そして今度は、アメフトでの危険行為の助長(反論できない立場の選手に指示したのであれば、これもパワハラ問題)とこのところ本来、範となることを率先垂範すべき立場の人が、自らの立場を顧みず「よくもそんなことができたものだ」という問題を起こしています。管理者として、部下や後輩に①「強い上司としての背中を見せ続ける」か、②「かっこ悪くても話を聞いてあげる先輩としてブレない」ほうが良いか、管理者になったときに悩む永遠のテーマですが、もはや現代ではSNSの普及により、真偽は別としてあらゆる情報が即座に拡散するので、肩ひじ張った強い上司を演じ切ることはできない状況なのではないでしょうか。アメフト問題は、当事者の学生が記者会見をする事態になりましたが、上司として、日大アメフト部の内田正人監督と青学陸上競技部の原晋監督を比較すれば、上司の在り方は明らかです。

 

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扶養親族等申告書について

 

扶養親族等(異動)申告書はだれが書く?

扶養親族のいない独身者は、提出する必要がないと思いがちな申告書の名称ですが、年収2000万円以下の給与所得者であれば、必ず提出しなければなりません。
給与所得者でも同時に2か所以上から給与をもらっている場合は、いずれか1か所の事業所に提出します。したがって、この申告書を提出した事業所では年末調整がされ、提出しなかった事業所では年末調整がされません。この場合は、いずれにしても確定申告をしなければならないので、年末調整がされなかった事業所についても、最終的にはすべての所得に関して所得税が計算されなおします。
この申告書は、通常年末に提出しますが、年の途中でも就職、退職、婚姻、出生など所得や家族構成が変わったときには何度でも提出するのが原則です。

 

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「働き方改革」に秘められた思い

安倍内閣が推進する「働き方改革」を進めるうえでの各種の議論や具体的な取り組み方法(ガイドライン)が出始めていますが、いずれも容易ではないようです。もともと、日本における生産年齢人口の減少が、働き方の改革に手を付けねばこの国のプレゼンスを危うくするという危機感がその大きな動機です。

働き方改革は、改革のさきがけとして「時間外労働の上限規制」と「同一労働同一賃金」から始まっています。

時間外労働の上限規制

従来から問題視されていた時間外、休日労働時間の上限規制について、明確に数値を示して36協定の特別条項による抜け道を封鎖するようにします。このこと自体は、従来からの懸案を解決させることになりますが、度を超えた残業や休日労働をしなければならない状況の是正が本質的な解決策であるはずなので、働き方改革の重要な要素として、「生産性の向上」が同時に言われていると思います。

生産性の向上

生産性は、生産額を労働投入量で割った値なので、時間外労働の上限規制は、この計算式の分母を小さくする対策になります。であれば、次の対策は、この式の分子である生産額を増やすことでより生産性が上がることになります。

このためには、子育てや介護の関係で職場を離れた人々が職場に戻れる環境の整備と人々の働く意欲(モチベーション)の醸成が時間当たりの生産額を上げることになります。

同一労働同一賃金

働く人を正規労働者(正社員)と非正規労働者に分けて、職務給に差をつけていることが大きな問題になっています。特に心ならずも非正規労働者として、不安定な労働環境に甘んじている人たちにとっての重要事項は、生産性ではなく、時給に見合った働きを無難にこなすことになっているのではないでしょうか。つまり非正規労働者に対して会社に対するロイヤリティや昇格へのモチベーションを期待できない処遇をしている限り、非正規労働者が担っている部分の生産性の向上など望むべくもないことになります。同一労働同一賃金の実現は、非正規労働者にとって重要な働き方改革になるでしょう。しかし、何をもって社内での仕事を「同一労働」と定義づけるかは非常に難しい作業になると思います。この部分は国のガイドラインではなく、個々の企業が知恵を絞って、定義づけをしてゆくしかありません。

兼業・副業

兼業や副業を禁止する就業規則を頂く企業では、社員の高齢化に伴う対策の一つとして、社内再教育、キャリアパスの多様化、スキルチェンジの推奨、応募による社内転職などが推進されてきたわけですが、ここへきて就業規則の見直しをして、兼業や副業を認める方向性を政府主導で行おうとしています。

一方で時間外労働の上限規制をして、労働時間の短縮化をもくろんでいながら、労働時間を増やすような兼業・副業を推進するのは矛盾ではないかという議論も一部にありますが、これこそ多様な働き方の一つの突破口になると思います。つまり、これまでの社内転職の枠を社外にも広げ、転職ではなく、兼業・副業により自らの可能性を広げる猶予期間ともなり、起業のための修業期間ともなります。

 

長くなりました。この続きはまたのちほど。。。

 

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障害者の法定雇用率引き上げ

明けましておめでとうございます。

戌年は、景気が良くなる年だとか。そのようになることを祈ります。0600

 

さて、本年は、2月~3月には韓国平昌(ピョンチャン)でのオリンピック、パラリンピック、6月には、ロシアでのサッカーワールドカップなどスポーツの分野での大きなイベントがある年ですが、オリンピックのみならず近年では、パラリンピックでも多くの感動が期待できます。

 

パラリンピックは障害者のスポーツの祭典ですが、本年は、4月から障害者の法定雇用率が引き上げられる年でもあります。

法定雇用率

法定雇用率とは、障害者に対して一般労働者と同じ水準で常用労働者となる機会を与えることを目的として設定されていますが、この雇用率が、4月1日から下表のように0.2%引き上げられます。

 

障害者雇用率

 

この場合の計算式の分母は、「1年を超える雇用実績または見込みがある従業員」の数を指し、パート・アルバイトなど労働時間が20時間以上30時間未満の従業員は0.5人としてカウントします。従って民間企業の場合、4月以降は、45.5人にひとりの障害者を雇用することになります。

除外率

そうはいっても、一般に障害者の就業が困難と認められる建設業、医療業、幼稚園等の職種では、計算式の分母(上で述べた従業員の数)をそれぞれ一定割合で除外することができます(建設業の場合、20%、医療業の場合、30%、幼稚園の場合、60%)。ただし、除外率は段階的に縮小の傾向があります。

精神障害者も雇用対象に

今回、法定雇用率を引き上げることになった要因は、これまでは除外されていた精神障害者も法定雇用率の対象になるからです。ここでいう「精神障害者」とは、精神障害者保険福祉手帳を持っている人のことをいいます。

 

雇用する側には、これまで以上に適材適所に人員を配置し、上司や同僚とのコミュニケーション、緊急時の対応ルール、連絡網、相談窓口の設置等の充実を図ることで、全従業員が働きやすい環境の構築が求められます。

 

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「東大ルール」取り下げの波紋

「東大ルール」が昨今話題になっていましたが、12月19日にその東大が厚生省で記者会見を開き、「東大ルール」を撤回する旨の発表をしました。そもそもこの「東大ルール」とは何でしょうか。また、なぜ撤回したのでしょうか。

「無期転換ルール」

「東大ルール」を説明する前に、労働契約法第18条、平成25年4月1日施行の「無期転換ルール」から話を始めなければなりません。

「無期転換ルール」とは、労働契約に関して、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
平成25年4月1日施行ですので、この日に(通算)5年の有期契約で労働を始めた有期労働者が、平成30年4月1日付けで再雇用されれば、通算5年を超えることになるので、労働者の申し込みにより、次の契約は無期労働契約にしなければならなくなります。

「東大ルール」とは

「無期転換ルール」では、無期転換をするには通算5年を超えての再雇用が条件になるので、通算5年になる前に雇止めが多く起こるのではないかと懸念されています。「東大ルール」もまたこの雇止めの応用編なのですが、その方法が少し巧妙です。東大では、平成25年4月1日以降、教職員を正規に採用する以外は雇用期間は5年が限度とあらかじめ宣言して、この条件をのんだ人を有期契約労働者として採用してきました。「特任教授」と呼ばれている教授陣はみなこの契約で採用されています。パートタイムで仕事をする事務職などの職員も含めると、その数は8000人ほどいるそうです。
しかし、5年を超えてでも研究や職務を続けてもらいたい教授、准教授、助教やパートタイムの方々もいるわけで、一律5年で雇止めはしたくない、とはいえ予算などの関係でこの方々を全員無期契約にも転換できないという東大側の思惑があり、東大は、「クーリングオフ」という制度でつじつまを合わせました。クーリングオフとは、一定期間(6か月間)以上、時間をおけば、同じ仕事に復帰しても、前後の期間を通算しないというものです。つまり通算5年採用後、6か月間のクーリングオフ期間をおいて同じ職務に再雇用すれば、通算はできないので無期契約をしなくてもよくなります。

結局撤回、「問題提起で雇止めしにくくなる」と

この東大のやり方が昨今話題になり、他の大学や企業も同じことをするのではないかと懸念されていましたが、雇用の安定という法の趣旨を捻じ曲げているなどと批判があるなか、東大はこのルールを結局撤回することにしたと発表しました。その時の東大の言い分は、「東大ルール」が話題になり、多くの議論を生んだ結果、撤回ということになったのだから、今後は、他の大学や企業で雇止めをしにくい状況が作れた、これこそが目的だったのだというような趣旨のことを言っています。転んでもただ起きない姿勢に違和感を覚えますが、いよいよ平成30年4月1日に「無期転換ルール」が有効になります。無期転換については、今後とも注目してゆきたいと思います。

 

 

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解雇無効時金銭救済制について

 

解雇無効時金銭救済制度

何らかの理由で解雇を言い渡された労働者が裁判によって「解雇無効」を勝ち取ったと場合、職場復帰が叶うわけですが、この制度が成立すると、職場復帰に替わる金銭(救済金)の支払いで労働契約を終了できるというものです。

 

制度導入の趣旨

本制度導入の趣旨は、解雇無効により職場復帰ができる状況になっても、実際には職場復帰せず、退職を選択する労働者が一定数いて、その際、わずかな和解金しか手にしていないという状況を踏まえて、きちんとした金銭解決ルールがあれば、それなりの救済金をもらって退職ができるようになるというものです。

 

連合など労働者側の反論

連合などの反論は、解雇無効になるような「不当解雇」でも、救済金を払えば、労働者を合法的に解雇できる制度の創設になるというものです。

 

労働者の意思が大事

双方の意見が対立したまま労働政策審議会の審議の開始見通しさえ立たない状況ですが、肝心なのは労働者(当事者)の意思ではないでしょうか。解雇無効を勝ち取った労働者は、職場に復帰するもよし、退職するもよし、自分がどうしたいかです。つまり、連合などの反論を払拭するには、本制度ができたからといって、解雇無効時に無条件で救済金を払って退職にできるという制度にするのではなく、当事者本人が職場復帰を望めば、救済金による解雇はできないとすればよいのではないでしょうか。

 

むしろ職場復帰後のケアまで議論してほしい

当事者が退職を選択した場合、「不当解雇」だったという使用者責任に見合った救済金を出すように制度化することはもちろんですが、むしろ職場復帰を選択した場合、裁判を戦った会社と当事者との対立関係をそのまま、復帰した職場に持ち込むことのないよう、職場復帰後の当事者に対するケアについてまで踏み込んだ議論がされることを願います。

 

 

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36協定はありますか

時間外労働 休日労働に関する協定(いわゆる36協定)の特別条項が締結されていれば、時間外労働が無制限にもできたこれまでの労働基準法に、特別条項を締結していても時間外労働時間に上限を設けることとする改正がされましたが、その前にそもそも残業を命じるためには、36協定が必要であることを知っている労働者は5割半という調査結果を連合が発表しました。

36協定がないと残業は許されない

毎日のように残業をしている労働者もその半数は、残業の法的根拠である36協定が必要であることを知らないということですので、もう一度、36協定を復習しましょう。
会社が労働者に残業や休日出勤を命じることができるのは、従業員の過半数で組織する組合又はそのような組合がない時は、従業員の過半数を代表する従業員代表と協定を結び、その内容を労働基準監督署に届け出なければなりません。

36協定で決められる時間外労働時間の上限

下の表のように、36協定で労使が協定できる労働時間の上限が決められています。

上限 1年単位の
1日 8時間 変形労働
1ヶ月 45時間 42時間
1年 360時間 320時間

今回の連合の調査によると、36協定を締結していない企業が17%です。この17%の企業は、残業も休日労働もないハッピーな会社なら何の問題もありません。
36協定を締結していないが17%この協定に違反すると、労働基準法32条(労働時間)または、35条(休日)違反であり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。 ただし、36協定内で特別条項を決めておけば、この上限を超えて残業が許されることになります。特別条項にも、この条項を発行するのは、やむを得ない繁忙期に限るとか、年に6回までとなっていますが、これまでは、事実上の無制限にもなり得ました。そこで、改正労働基準法では、特別条項を決めていたとしても、残業は「月100時間未満」とし、「年間720時間」の上限を設けました。720時間の枠内であれば、2カ月から6カ月の平均では「80時間」、1カ月では「100時間」を基準に時間外労働をできるようにします。ただし月45時間を超える残業は最大で年間6カ月までしかできません。

また、自社が36協定を締結しているかどうかわからないという労働者が38%でした。残業の根拠となる労使協定の存在さえ知らずに残業をし、過労に倒れるということがないよう、労働者一人ひとりが、労働に対する自覚をもって会社の労働環境、自分の労働契約をもう一度確認してみてはいかがでしょうか。

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増えるパワハラ 対策が急務

議員秘書に対するパワハラが問題になっていますが、企業内の「いじめ・嫌がらせ」は、個別労働紛争事件の相談内容で断トツの一位を占めています(平成28年度、7万1000件で「解雇」の約3万7000件を大きく引き離しています)。

パワハラの定義

「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
具体的に6類型を示すと以下のようになります。

・身体的な攻撃ーーーーーーーーー暴行・傷害
・精神的な攻撃ーーーーーーーーー脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
・人間関係からの切り離しーーーー隔離・仲間外し・無視
・過大な要求ーーーーーーーーーー業務上明らかに不要な事や遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
・過小な要求ーーーーーーーーーー業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
・個の侵害ーーーーーーーーーーー私的なことに過度に立ち入ること

暴行や傷害は、言わずもがなですが、ことの本質と無関係の侮辱は、その言葉を発したほうが、情状の余地なく社会的制裁の対象になることを肝に銘じておくべきです。今の時代、「密室だからばれない」という考えは、「甘い」と言わざるを得ません。パワハラとは違いますが時々電車内などで乗客同士のトラブルに遭遇するときがあります。この乗客同士のとラブルでは、ことの本質(トラブルの原因)を離れて相手の肉体的弱点を突くような暴言を吐く人がいますね。暴言は、その時点でアウト。周りの誰も味方にできなくなる行為です。

これが会社内での出来事となると、暴言を発した者だけでなく、それを放置したような場合は、会社の責任が問われることになりかねません。

ばれることと肝に銘ずる

セクハラ同様、パワハラもそれをされた方がどう受け止めるかの心理の違いにより紛争リスクの大小が決まってきます。会社として予防・解決に向けた取り組みが必要ですが、上にも述べた通り「密室だからばれない」ではなく、「どんな状況でもばれるんだ」と一人一人が肝に銘じれば、ばれて恥ずかしいことはしなくなると思うのは、いささか甘いでしょうか。自衛のために、車にはドライブレコーダー、ポケットには、ボイスレコーダーが必須な世の中になったのかもしれません。

 

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