介護休業給付の給付率67%に

介護も何とかして

子育てに係る「保育所落ちた日本死ね!!!」のブログが、大きな反応になっていますが、これに近い問題が、介護面においても潜在的な問題として存在しています。先の見えない介護期間を就労しながら乗り越えようとしても結局、離職せざるを得ない人が、過去5年で40万人以上になっています。また、「介護休業」制度を利用する人が、3%前後に留まるという調査結果もあります(総務省調査)。

厚労省が考える打開策

労働政策審議会の議論を踏まえ、「介護離職」を抑えるために今通常国会で議論される内容の論点は大きく2点あります。

1.介護休業給付金の支給率を現行の40%から67%に増額する(施行予定日:平成28年8月1日)
2.介護休業期間93日を3回まで分割して取得できるようにする(施行予定日:平成29年1月1日)

1の議論は、育児休暇での支給率に合わせる措置となります。また、2の議論は、これまでも、介護休業終了後、例えば要介護状態が変わったという場合は、2度目の取得も可能でしたが、要介護状態が変わらなくても「介護の初期」、「介護施設の移動」、「病院への入退院」、「介護の終期」等の介護休業のニーズが必ずしも連続していないという実情によるものです。休業期間93日を増減しないのは、これまでの休業期間の実績と、休業期間の分割が可能になれば働きながら介護ができるようになることが議論の前提なので、休業期間を延ばすのは論拠にブレが生ずるということでしょう。3回という上限は、企業側の労務管理の負担を考慮したものと思われます。

介護離職に応え得るか

給付金の支給率が67%に上がること、休業期間を3回まで分割取得ができるようになることは、一歩前進であり歓迎すべきことではないでしょうか。せっかくの制度である介護休業を多くの人に利用してもらうために、引き続き制度の周知と、利用方法の利便性の改善をしてゆかなければなりません。ただ、これが「仕事と家庭の両立」を目指すための最終回答では無いでしょう。介護のために家から近い職場に変えるという理由の人への離職防止の答にはなっていませんし、「終わりが見えない」介護に対する支援の回答としては弱い気がします。
また、「自助」「共助」「公助」でいうなら、今回の改正案のような「公助」の考え方も重要ですが、生活コミュニティや職場での立場について、「介護がしやすい」あるいは、「介護休業がとりやすい」「共助」の環境作りもを同時に進めることが「私たちの課題」でもあると思います。

 

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非正規労働者間のヒエラルキー

ある実態

非正規労働者の働き方の多様性が、そこで生産される製品(商品)が何であれ、思わぬヒエラルキーを作り出している例があります。

すべての企業でそうだとは言いませんが、これは実例です。

その会社は、恒常的に非正規労働者で製造ラインが稼働している状況です。季節的な繁忙期には、とくに、短期間の非正規労働者(主に、派遣労働者)が多くなります。
したがって、この会社でも、正規労働者(正社員)のほか、長期の非正規労働者(主に直接雇用のパートタイマー)と短期の非正規労働者(主に派遣)という構成になっています。

労務管理の難しさ

この会社は、人事、総務が労務に関する安全・衛生には、万全の対策を立て、労働者に対する日々の決められた管理事項を遵守・実行していて、リスク対策にも優れた会社です。
しかし、残念ながら、職場の実態は、必ずしも人事、労務が考えるものとは違っていました。

非正規労働者間の階層意識

強い者と弱い者を作り出す階層意識については、たぶん人間の心理(本能)に係ることなので、人事、労務だけに責任を投げかけることはできませんが、その会社の職場は、正社員ー長期の非正規労働者ー短期の非正規労働者というヒエラルキーが形成されていました。人間の心理にその蓋然性を求めるなら、このようなことは他の会社でもありうることではないでしょうか。非正規社員は、正規社員の顔色を見、非正規社員の中でも短期の者は、長期の者にチクチクといたぶられ、つらい気持ちで与えられた仕事に当たっています。長期の非正規労働者は、正社員にいい顔をするので、正社員並びにその先の人事、労務部門にはその実態が見えていません。

人事、総務部門の役割

同一労働同一賃金の実現に向けて、安倍総理が先の施政方針演説で、短時間労働者への被用者保険の適用の拡大や非正規社員の正規社員化等に触れていますが、企業における労働者管理を担う人事、総務部門は、このような政治的な動向を観察するのみならず、今起きている現場の実態の把握と対策にきめ細かい方策を立て実施することで、思わぬ、不要な労働者間の確執、労働環境の悪化を避けることができるのではないでしょうか。

 

 

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麦秋の宮ケ瀬湖

神奈川県立あいかわ公園

aikawa_park-300x225紅葉には時季をはずしていますが、おりしも原節子がなくなっていたというニュースに触れて、ふらふらと「麦秋」の宮ケ瀬湖に足を運びました。原節子という女優をリアルタイムで知る世代ではないですが、小津安二郎作品に代表されるその清楚な美しさに魅了されていた多くのファンの一人でしたから。
県立あいかわ公園は、宮ケ瀬湖へのアプローチの手段としては、駐車場が広く、湖へ歩いて10数分のロケーションですので、ここを拠点にする方が多いようです。私もあいかわ公園の駐車場を目指しました。

 

広い公園の一部は、自然の景観をそのままに残していて、到着が朝早かったおかげで、樹木の生い茂る広場で耳をすませば、ヤマガラ、ルリビタキ等の小鳥のさえずりが聞こえ、地上にはシジュウカラがエサを探す姿も見ることができました。小鳥のみならず、樹々に残る葉、地上に落ちた葉が、まさにこのコラムのタイトルである「Foliage talk」をしているように感じ、秋の好天を満喫しました。

 

 

宮ケ瀬湖

miyagaseko-300x225あいかわ公園につくと園内の係員から、偶然、宮ケ瀬湖の宮ケ瀬ダムで午前中に「観光放流」があると知らされ、放流時刻に間に合うよう見に行くことにしました。あいかわ公園からダム下まで観光ロードトレインが走っていますが、歩いても10数分なので木漏れ日を浴びながら坂を下りました。

 

ダム下に着いたときは、放流時刻までまだ少しあったので、高低差120mの宮ケ瀬ダムの上まで、エレベーターで移動すると、公園のたたずまいとは打って変わった人造湖と機能的に配置された各種施設を目にすることになります。湖岸の山の姿が映るほど凪いだ湖面の広さと静寂があたりを支配しています。

 

 

宮ケ瀬ダムの放流

 

houshitsu-300x225放流の時刻間際に再びエレベーターでダム下に行くと、どこから集まったのかというくらい多くの見物客が、めいめいに好位置を見つけて放流の瞬間を待っていました。
放流のアナウンスがあり、11時ちょうどに放流が開始されました。毎秒30㎥の水が落ちるという事前説明より、その音、水しぶき、流れの速さを目の当たりにし、さらには晴天の直射日光が白濁した激流に輝きを与え、かつ川面あたりの水しぶきが小さな虹を湛えていて、これは見るにしかずと感動しました。

個人番号カードの申請

通知カード到着(11月中旬)

通知カードは、配達日程(正確には郵便局に届く日程)を関連ホームページから得ていたので、そろそろと思っていたところ、その記述通りに住居地の住所に簡易書留で届きました。家族分の通知カードと個人番号カード交付申請書、返信用封筒、1通の説明資料が同封されていました。説明資料がわかりやすく書かれていて、一人1通ほしいので、どこに行けば、あるいはどうすれば余分に手に入るのか書かれているとうれしかったのですが。
12桁の個人番号(11桁の数字+1桁のチェックディジットの数字)は、何の脈絡もない数字の羅列で、記憶する必要もないでしょう。
家族分の通知カード(個人番号カード交付申請書と一体)が、同封されているので、家族の名前を確認し、この後の個人番号カードの申請時、名前と本人の顔写真が一致しないことの無いようにします。

個人番号カードの申請

個人番号カードの申請は、通知カードをもとに当面任意ですが、早速手続きをしました。
申請の方法には、4種類あり、どの方法でもいたって簡単に申請できます(申請自体は無料です)。
(1)郵送する方法
個人番号カード交付申請書に署名または記名・押印し、顔写真を貼って、返信用封筒で申請します。
従来からの慣れた方法で申請したい方はこの方法が確実でしょう。
(2)パソコンによる方法
デジタルカメラで自顔を撮影し、パソコンに保存しておきます。交付申請書に書かれている交付申請用のWEBサイトにアクセスし、画面の指示にしたがって必要事項を入力し、保存しておいた顔写真を添付して送信(申請)します。
(3)スマホによる方法
スマホのカメラで自顔を撮影し、交付申請書のQRコードを読み込み申請用WEBサイトにアクセスし、画面にしたがって必要事項を入力の上、顔写真を添付し送信(申請)します。
(4)まちなかの証明用写真機からの申請
この方法が目新しかったので私はこの方法を試してみました。
配達された個人番号カード交付申請書を持って、「まちなかの証明用写真機」のある場所に行きます。この写真機は、証明写真を簡易に撮るときに使う、街中によくある証明写真撮影ボックスです。ただ、すべてのボックスが個人番号カード申請機能に対応しているわけではないので、事前に最寄りの個人番号カード申請対応ボックスを調べておきましょう(検索はこちらから)。あとは、ボックスの中で音声案内に従って写真を撮り、申請ボタンを押せば完了です(写真撮影代800円)。

申請後は、年明けに個人番号カード完成通知(交付通知書)が郵送されてくるので、各自で指定窓口まで行き、個人番号カードを受け取ることになります。

二つの選択肢

いずれの方法でも、申請する際、個人番号カードのICタグに書き込む証明書の二つの選択を問われます。これらは「住民基本台帳カード」に書き込まれていた証明書と同じ機能で、個人番号カードに書き込んでおけば、今後、住民基本台帳カードによる電子証明は必要なくなります。
一つは、署名用電子証明書と、もう一つは、利用者証明用電子証明書です。
署名用電子証明書とは・・・確定申告等の電子申請手続きに利用できます。確定申告のような、申告のための文書を伴う電子申請時に、申請者が本人であり、かつ文書の内容に改ざん等がないことを証明します。
利用者証明用電子証明書とは・・・現在、国において様々な利用(マイナポータルへのログイン、コンビニ交付、健康保険証など)が検討されていますが、将来使えるようになる、本人を証明する証明書です。
個人番号カードの申請の際には、悩まずどちらも発行する選択肢を選ぶ(何もしなければ選択したことになる)ことをお勧めします。なお、15歳未満の方及び成年被後見人の方には、「署名用電子証明書」は選択しても発行されません(実印に相当するため)。

マイナポータル、マイ・ガバメント

マイナンバーのイメージ戦略

マイナンバーの「通知カード」の郵送が始まっていますが、マイナンバー関連の贈収賄や詐欺などの報道がされるなど、マイナンバーへのマイナスイメージが先行しています。
一般にマイナンバーへの理解が進んでいない理由の一つに、このようなマイナスイメージの報道ばかりで、マイナンバーは自分にとってどのような有効性(メリット)をもたらすのかが具体的に伝わってこないことがあるのだと思います。厚生労働省などのホームページでは、多くの情報が発信されていますが、ホームページの特性上、「発信」といっても所詮はプル型の情報でしかなく、その情報を見に来る人にしか伝わりません。マイナンバーのような全国民に知らしめるべきものについては、「家電芸人」ならぬ「マイナンバー芸人」をしつらえ、面白おかしく喧伝させるとか、深夜の時間帯のTVコマーシャル枠やSNSを使って、口コミに乗せる戦略は取れないのでしょうか。

マイナンバーのメリット

では、マイナンバーのメリットとは何でしょう。行政側のメリットはいくらでも述べられていますが、国民にとってのメリットです。国民から見ると、行政側のメリットが国民にとってのデメリットに見えているという一部の誤解もあります。曰く、「プライバシーが国によって丸裸にされる」。曰く、「セキュリティに甘い行政からマイナンバー情報が漏えいすると、これまで以上に被害が拡大する」。これらの誤解も含めたデメリット感を超えるメリットとは?
個人に最も響くメリット感は、宝くじが当たるなど、金銭的優越感が味わえることがその一つでしょうが、マイナンバー制度にそこまで明確なメリット感はないでしょう。しかし、現状のアナウンスの中にも「メリット」と捉えられるものがないわけではありません。

マイナンバーの将来像

行政は、「これは使える(かもしれない)」と国民に思ってもらうために、マイナンバーを活用した社会システムの将来像(完成形)を早く示すべきでしょう。
国税庁は、10月2日に所得税法施行規則等の改正を行い、源泉徴収票など納税者本人に交付する帳票*にはマイナンバー(個人番号)を書かなくてよいと、それまでの主張を180度変えました。これについても、「なぜ今頃」とマイナスイメージでとらえるより、無意味な情報漏えいの可能性が一つ減ったとしてとらえましょう。

*国税庁が給与の支払いを受ける本人に渡す帳票に個人番号を書かなくてよいとしたもの:
・給与所得の源泉徴収票
・退職所得の源泉徴収票
・公的年金等の源泉徴収票
・配当等とみなす金額に関する支払通知書
・オープン型証券投資信託収益の分配の支払通知書
・上場株式配当等の支払に関する通知書
・特定口座年間取引報告書
・未成年者口座年間取引報告書
・特定割引債の償還金の支払通知書

現状で公的に述べられているマイナンバー関連の将来像には、「マイナポータル」と「マイ・ガバメント」があります。

マイ・ガバメント構想

すでに確定申告等の納税関係の社会システムにe-Taxがあるのをご存知かと思います。この発展形の構想に「電子私書箱」と「マイナポータル」があります(「マイポータル」ではなく、「マイナポータル」が正しい)。簡単にいうと、「電子私書箱」とは、各種証明等の電子データを民間の保険会社や金融機関などから受け取るときの個人単位の保存空間で、国や地方公共団体からの各種証明等の電子データを受け取る個人単位の保存空間を「マイナポータル」(平成29年1月公開予定)と呼びます。これら(e-Tax、電子私書箱、マイナポータル)が構築され、個人単位で自分の情報を管理でき、効率的に活用できるというのがマイ・ガバメント構想です。また、マイナポータルでは、行政機関が自分の情報をいつ、どの行政機関とやり取りしたかを確認できるようになると説明されています。これは、国が、本人が知らないところで個人情報を利用しているのではないかという疑問への一つの回答と受け取れます。これらのシステムは、インターネットに接続されたパソコン等の電子機器の使用が前提になっています(ここに突っ込みを入れてもいたしかたありません)。
目的とする行政の窓口に何らかの申請をする際、申請のための必要書類を集めるために関連機関や窓口を行ったり来たりするわずらわしさが「マイナポータル」の利用で軽減されることも大きなメリットでしょう。
これらマイナンバー導入のメリットとなりうる構想を国民とともに実現するためにも、収賄をしたり、情報漏えいが発覚したりで国民に謝るような醜態を行政機関には見せてほしくないものです。

駒田徳広氏(元ベイスターズ)と語る

開業社労士として

月刊誌COMPANY TANKのインタビューを受け、元ジャイアンツ、ベイスターズの駒田徳広氏と人材育成を中心にお話をしました。
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開業のいきさつやこれまでの経歴について一通りお話をした後、企業の人材育成とプロ野球選手の育成には共通点が多いことで意気投合しました。
駒田氏は最近の風潮である「フラットな関係」は、勝ち負けのはっきりするプロ野球の世界にはデメリットであること、先輩が後輩にチームの伝統と方針をしっかり伝えることの重要さを強調しておられました。
一般企業の世界でも同じことが言えると思います。経験上「フラットな関係」は、ある意味、責任を取らない上司の隠れ蓑になります。上司が率先垂範して模範を示してこそ部下は心から上司についてゆくし、そこには程よい緊張感が生まれます。
このような上司と部下の関係性を「日本を取り戻せ」の一つに加えてもよいのではないでしょうか。
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