高齢者関連助成金が整理統合されました

新年度を迎え、助成金関連もその内容が大きく変わったもの、廃止されたもの統合されたもの等、大きく様変わりしています。今回は、一億総活躍社会の一翼を担うべく、活用及び活躍が期待されている高年齢者の雇用に関する助成金についての変更点の一部を紹介します。

高年齢者雇用安定助成金(高年齢者無期雇用転換コース)は、廃止

高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページで、この「廃止」の文章を見たときは、驚きましたが、その他の助成金の項目までよく読めば、この助成金の名称が廃止になったのであって、助成金そのものは廃止されていないことがわかります。情報の伝達方法としては、最悪のアナウンスだと思います。

65歳超雇用推進助成金に統合

では、この助成金がどこにあるかというと「65歳超雇用推進助成金」の高年齢者無期雇用転換コースと名称を変えて残っていました。一見、65歳超の方を対象にした助成金だから、これまでの、50歳以上の方を対象にした高齢者雇用安定助成金(高年齢者無期雇用転換コース)とは、違うように思われますが、50歳以上65歳以下の方でも65歳超雇用推進助成金の対象者になると書いてあります。

65歳超雇用推進助成金の変更点

この助成金は、4月1日から上記のように高年齢者無期雇用転換コースなどを取り込んで統合されたことが一つの変更点ですが、実は最大の変更点は、もともと「65歳超継続雇用推進助成金」と言っていた助成金が、65歳超継続雇用推進助成金」の65歳超継続雇用促進コースとなって、助成金の支給額が5月1日以降変更されるというところです。
例えば、これまで、就業規則等で定年年齢の廃止をして、60歳以上の正社員がいれば、120万円の助成金が支給されましたが、5月からは、2人まで40万円、3人~9人で120万円、10人以上で145万円に変更されます。

高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページに注目

ここまで、読んでも疲れたと思います。なんだか高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームぺージは難解ですが、しっかり読んで対応してゆかなければなりません。

 

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プレミアムフライデーは定着するか

去る2月24日に、初めての「プレミアムフライデー」がありました。実施した企業、そもそも実施できない企業と、事情は様々ですが、働き方やライフスタイルの見直しを通じて、結果としての消費マインドの向上に資することになれば、政府主導での「みんなで休めば怖くない」的な企画ではありますが、これもまた良しとすべきでしょう。

 

政府と経団連は掛け声だけ

「プレミアムフライデー」を推奨している政府や趣旨に全面的な賛同を表明している経団連は、「月末の金曜日には、できれば午後3時までに仕事を切り上げましょう」と掛け声をかけているだけなので、現場で人事労務管理を担当する部署は、「プレミアムフライデー」と自社の就業規則との整合性をどうとればよいのか悩んだ、あるいはまだ悩んでいるのではないでしょうか。ただ、「プレミアムフライデー」は、長時間労働を是正するための策ではないので、誤解のないようにしたいものです。

 

有給休暇で?

フレックスタイム制

フレックスタイム制を導入している企業で、フレックスタイム制の適用を受けている従業員は、比較的午後3時に仕事を切り上げることは容易かもしれません。

変形労働時間制

また、変形労働時間制を採用し、会社が「プレミアムフライデー」のために、就業スケジュールを組む段階で、当日の労働時間を調整することができれば、これも可能かもしれません。

固定就業時間制

では、固定就業時間制をとる企業では、どうしたらよいのでしょうか。最も良い方法は、「プレミアムフライデー」のために、就業規則あるいは、労働協約を変更することでしょう。これなら、会社のルールとして、「プレミアムフライデー」が定着するはずです。しかし、残念ながらデータがないので何とも言えませんが、「プレミアムフライデー」のために就業規則を変更した企業はどのくらいあったでしょうか。少なくとも2月24日の「プレミアムフライデー」を実施した企業の多くは、半日有給休暇や時間単位有給休暇の取得を推奨していたようです。

 

労働基準法の改正待ち

以前から労働基準法の法整備を目的に、改正法案が国会に上程されていますが、これまでは日程の都合上、その審議にすら入れない状態で棚ざらしにされています。そのいくつかある改正案の中に、「年次有給休暇の取得促進」法案があります。これは、日本の企業ではあまりにも有給休暇の消化日数が低いので、ある条件の下で、会社が時季を決めて、強制的に有給休暇を取らせることができるようにするものです。この法案が成立すれば、会社が強制的に「プレミアムフライデー」の日に半日なり、数時間の有給休暇を取らせることで定着が促進されるのではないでしょうか。
いずれにしても、本法案が成立するまでは、固定就業時間制の企業では、「プレミアムフライデー」に賛同し、参加するためには、会社単位で有給休暇の取得を推奨するといった方法を取ることになるでしょうが、これでは「プレミアムフライデー」の定着には、迫力不足の感が否めません

 

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労災保険と健康保険の調整

1月23日のコラムで、療養(補償)給付について「(2)労災指定病院でない場合、治療費を一旦患者が支払わなければならないので、その治療費を取り戻すために、本人または、会社の労災窓口が療養の費用を請求する手続きをしなければなりません。」と書いた部分、タイミングよく2月1日付けの基補発02021第1号が発出されました。
それによると、健康保険で治療を受けた(被保険者による3割支払、健康保険組合等で7割負担)後、労災認定があった場合、労働基準監督署が7割分の支払(振込み)を健康保険組合等に行い、被災労働者の申請により、被災労働者が支払った3割の治療費を戻すことになりました。
手続きには、労働基準監督署へのレセプトの送付などの仔細がありますが、被災労働者としては、「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」に必要事項を記述して提出すれば、労働基準監督署と健康保険組合等によるやり取りが始まります。

 

 

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65歳以上被雇用者の雇用保険加入手続きは済みましたか

本年1月1日からの雇用保険の適用拡大に伴い、これまで適用外だった65歳以上の被雇用者も条件を満たせば雇用保険の被保険者になります。その場合、本年3月31日までに加入手続きを済ませなければなりません。忘れずに、該当者の加入手続きをしましょう。なお、3月31日までに加入手続きを済ませれば、本人および会社が負担する雇用保険料が平成31年度まで免除されます。すなわち、平成32年度からは、4月1日現在64才以上の方*も保険料を徴収されることになります。
*:65歳以上の間違いではありません。

加入条件

1.昨年12月31日以前から雇用されている従業者であること

2.手続時点で65歳以上であること

3.派遣社員やパート社員の場合、週所定労働時間20時間以上で、31日以上継続して雇用される見込みがあること

なお、65歳以上で昨年以前から「高年齢継続被保険者」として雇用保険の被保険者になっている方は、改めて加入手続きをする必要はありません。ただし、「高年齢継続被保険者」は「高年齢被保険者」と名称が変わっています。

加入手続き

雇用保険の「資格取得届」をハローワークに届け出る必要があります(もちろん、電子申請の場合、窓口に行く必要はありません)。
通常の「資格取得届」と変わりませんが、「被保険者の種類・区分」欄は、「高年齢」になります。
以前雇用保険に加入していた場合、「被保険者区分」は、「区分変更」で、以前の被保険者番号を記入することになります。7年以上の間隔があるときは「新規」になりますので、以前の被保険者番号は書かないようにします。

マイナンバー

雇用保険の資格取得届も該当者のマイナンバーを記入する事務手続きになりますので、 個人番号関係事務実施者の手で行ってください。

加入によるメリット

「高年齢被保険者」は、高年齢求職者給付金の対象になります。また、このほかに、65歳未満の加入者同様、育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給付金の対象になります。

 

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労働災害初期段階の対応を間違えないために

あってはならない労働災害(労災)ではありますが、業務中または、通勤途上で災害に巻き込まれた場合、当事者も会社も慌てず適切な処置(対応)ができるでしょうか。今回は、労災発生時の初期段階での対応について整理しておきたいと思います。

病院の選定

労災で治療を受ける病院(医院)は、労災病院または、労災指定医療機関(以下、労災指定病院と称する)であることが望ましいので、事業場内での業務災害発生時に備えて、労災を担当する窓口は、最寄りの労災指定病院を日頃からリストアップしておきましょう。通勤途上での交通事故などの場合、必ずしも最寄りの労災指定病院というわけにはゆきませんので、労災指定病院以外に担ぎ込まれたときの事後処理も心得ておきましょう。

療養(補償)給付

業務災害の場合は療養補償給付といい、通勤災害の場合は療養給付というので、以後、療養(補償)給付と書きます。治療を受ける医療機関が、(1)労災指定病院の場合、労災であることを申し出れば、治療費を患者が支払うことはありませんが、(2)労災指定病院でない場合、治療費を一旦患者が支払わなければならないので、その治療費を取り戻すために、本人または、会社の労災窓口が療養の費用を請求する手続きをしなければなりません。したがって、以後通院することになるのであれば、都度の窓口負担がないように(3)労災指定病院への転院手続きをしたほうが良いでしょう。
ここまでのケースについて届け出書類をまとめると、上記(1)の場合、「療養(補償)給付たる療養の給付請求書」、(2)の場合、「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」であり、さらに(3)の場合、「療養(補償)給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届」を提出することになります。

第三者行為災害

通勤途上の交通事故などでその事故に加害者がいる場合を考えましょう。交通事故での人身傷害という側面からすれば、この事案は、加害者の自賠責保険(+任意保険)による損害賠償の対象になります。また、通勤途上という側面からすれば、労災保険での給付対象ですが、どちらからも補償されるわけではないので、どちらからの補償を先にするかを選択することになります。どちらが先ということは一概には言えませんが、自賠責保険には補償額の上限(傷害は120万円まで、後遺障害の場合最高4,000万円、死亡では3,000万円)があり、加害者が任意保険に加入している保証はないことを考える必要があるでしょう。

休業(補償)給付

労災により勤務ができなくなった場合、有給休暇を使うのは合理的とは言えないので使わないとすると、その間、基本的には給与が出なくなりますが、労災保険では、休業4日目から、休業(補償)給付を請求することができます(休業3日目までは、通勤災害でなければ、労働基準法により平均給与の60%を会社が、休業補償として支給しなければなりません)。
休業4日目からの労災保険による休業(補償)給付は、「休業(補償)給付支給請求書」を提出することで、平均賃金の80%が支給されます。

 

労災に関する初期段階の対応(手続き)だけでもこのように多岐にわたります。労災担当窓口は、災害発生という状況に置いても冷静さを欠くことのない適切な判断や指示が要求されますので、日頃からの準備やシミュレーションを怠らないようにしましょう。もちろん、専門家である社会保険労務士に相談することも考えてみてください。

 

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産後休業以外の選択肢を整理すると

平成29年1月1日から改正「育児・介護休業法」が施行されましたが、今回は従来法(平成21年改正法)で、出産後の育児と労働の両立に向けた働き方の選択肢についてまとめてみたいと思います。

育休か、所定労働時間の短縮か

出産後8週間を経過した女性労働者が職場に戻る際の選択肢は(育児をしない場合は別として)、
①育児休業
②所定労働時間の短縮
のいずれかを申し出ることになります。(この女性労働者の配偶者は、産後8週間以内に育児休業もしくは、所定労働時間の短縮を申し出ることができます)。このいずれも、「申し出」でよく、企業は、その申し出に異議を唱えることはできません(企業からすると育児休業か所定労働時間の短縮の申し出には、対応しなければならないが義務になります)。

育児休業の申し出

育児休業の仕組みに関しては、「パパ・ママ育休プラス」を参照していただくとして、詳しい説明は、ここでは省略します。ただし、この休業期間中の収入は気になるところですので、申し添えますと当該企業の就業規則等で給与が出なくても、雇用保険から当初180日間は、給与の67%、その後は50%が支給されます。育児休業の期間は、生まれた子供が1歳になるまで(「パパ・ママ育休プラスをうまく使えば、1年2か月間)、最長1歳半までです。

所定労働時間の短縮の申し出

何らかの理由で育児休業が取れない場合や、夫婦の一方が育児休業を申し出、他方が所定労働時間の短縮を申し出るということがあるでしょう。所定労働時間の短縮は、1日何時間にするかを決めるのではなく、企業が就業規則等で1日6時間を超える所定労働時間に対して、1日6時間(行政通達では、1日5時間45分から6時間)と定めることになります。期間は、最長、生まれた子が3歳になるまでです。

請求による選択肢

育児休業か、所定労働時間の短縮を申し出た後(あるいは申し出なくても)育児に関する働き方の選択肢として、
①所定労働時間外労働の免除
②時間外労働の制限
③深夜労働の制限
が請求できます(②と③をともに請求することもできます)。こちらは、「申し出」ではなく「請求」ですので、この請求を認めることで事業の正常な運営を妨げるのであれば、事業主は拒むことができます。

所定労働時間外労働の免除

この申請が認められれば、最長、生まれた子供が3歳になるまで、所定労働時間外の労働が免除され、子育てに注力できます。

時間外労働の制限

この申請が認められれば、最長、生まれた子供が小学校に就学するまで、時間外労働が制限されて、残業時間が1月で24時間まで、1年で150時間までとすることができます。

深夜労働の制限

この申請が認められれば、最長、生まれた子供が小学校に就学するまで、深夜(午後10時から翌午前5時まで)の労働が制限されます。

 

これらをうまく組み合わせて、育児に少しでも専念できる働き方を考えたいものです。
条件はありますが、これらの制度は、正社員だけの話ではなく、有期労働者やパートタイマー等にも適用され、育児のために退職をしなくても済む職場環境の整備が法的にされています。

 

 

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明けましておめでとうございます

2017年も読者の皆様方にとって、実り多き年でありますことを心よりお祈り申し上げます。

 

当アクシス社会保険労務士事務所も飛躍の年になるよう努力してまいる所存です。
皆様方に置かれましては、倍旧の御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

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雇用保険制度のリテラシーを向上しましょう

雇用保険制度の動向

厚生労働省は、雇用保険積立金の増加を背景に、雇用保険制度の見直しを開始しています。雇用保険積立金は、残高が過去最高の6兆4000億円を超えており、
① 賃金日額上限の引き上げ
② 給付日数の拡大
③ 保険料率の引き下げ
ができる環境になっています。厚労省では、このほか、職業能力を開発することの重要性が増していることから
④ 教育訓練給付の拡充
も行う予定です。早ければ、政府は次期通常国会に法案を提出し、平成29年度から実施する方針です。

雇用保険周知の重要性

雇用保険制度の今後の動向には注目してゆきたいと思いますが、一般的には雇用保険は、労働者が失業したときの「失業給付」として理解されていて、「失業したらいくらもらえるのか」にばかり関心があるように思います。しかし、雇用保険には、その他にも多くの制度があります。今回のコラムでは、現行の教育訓練給付について述べてみたいと思います。雇用保険全般については、一般企業が積極的に社員教育をするテーマでもないので、労働者個々が、「失業給付」以外の制度についても個人のリテラシーを上げて、権利としての給付制度をもっと活用すべきと思います。

教育訓練給付

従来からの「一般教育訓練給付」に、平成26年10月からは、「専門実践教育訓練給付」が追加され充実されてきています。これら「教育訓練給付」は、労働者や離職者が、一旦費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その教育訓練受講のために支払った経費の全部または一部が支給されます。特に「専門実践教育訓練給付」の場合、複数年(最長3年間)にわたる専門教育受講期間に対して、費用負担金の40%が支給されることになりますし、離職者が、その教育を修了後、目的の資格に合格するなどして、1年以内に企業に就職し、雇用保険の一般被保険者になれば、さらに20%が支給されます(教育訓練修了時、すでに雇用されている方も同様)。
給付額の上限は、受講期間が1年の場合、48万円、2年では、96万円、3年では、144万円です(下限額はいずれも4,000円)。さらに、受講開始時に45歳未満で離職しているなど、一定の条件を満たす場合には、「教育訓練支援給付金」が支給されます。この給付金は、失業中に受講に専念して失業手当が受給できない場合などに失業手当に代わるものとして支給されます。しかも、失業手当の受給期間より長い期間(受講修了まで)受給できるので知っておくべきでしょう。

会社の役割

会社が求める人材育成の一環として社員教育が行われていることと思いますが、この制度は、就業中の社員にも適用されるので、この制度を活用し会社が求める教育訓練コース(支給対象コース)を示して社員の方向性を明確化し、さらに、個人には少々複雑な申請等手続き面で支援すれば、社員は受講に専念でき、より効果が得られるのではないでしょうか。

 

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年金改正法案は、「年金カット法案」か

現在参議院で議論されている年金改正法案(公的年金制度の持続可能性を図るための国民年金法の一部を改正する法律案)とは、どういう内容かを、年金額の改定ルールの見直しに焦点を当ててまとめ、この法案が野党(民進党)がいう、「年金カット法案」なのか、冷静に見てみる必要があると思います。

 

改正内容

現行ルールでは、物価の変動率と現役世代が受け取る賃金(名目手取り賃金)の変動率を比較して、ケースごとにどちらかの変動率を採用して、新しい年の年金額を決めています。今回の改正案でもこの考え方は変わらないのですが、どちらの変動率を採用するかの部分で、野党の言う「年金カット」になるケースがあるのです。 具体的に見てみると、物価変動率が賃金変動率を上回った場合に起こります。
①物価が上昇(変動率がプラス)し、賃金が下がった(変動率がマイナス)場合
現行法では、間をとって年金額を前年度の額に据え置いていたのに改正案では、賃金のマイナスの変動率を採用します(すなわち、年金額が減ります)
②物価が下降(変動率がマイナス)し、賃金も下がった(変動率がマイナス)場合
現行法では、マイナスの変動率が小さい物価変動率を採用していますが、これが、マイナスの

変動率が大きい賃金の変動率を採用します(すなわち、年金額がもっと減額されます)

 

年金世代には、年金カット、現役世代には・・・

上に述べた改正案は、何を意味しているのでしょうか。単なる年金世代いじめでしょうか。今回の改正案は、①、②をよく見れば、現役世代の賃金を基準に年金額を決めようとするものです。逆に言えば、現行法は、現役世代の賃金が物価上昇ほど上がっていないのに(あるいは物価の下落以上に下がってるのに)物価の変動に合わせて年金額を改訂しています。これは、年金世代には優しくても、年金世代を年金保険料で支える現役世代に過酷な制度ではないでしょうか。

 

年金制度の持続と将来世代の給付水準の確保

そこで政府は、公的年金制度を持続させ、将来の年金額があまりに少なくならないように、現役世代の年金保険料の納付率を上げる方策を打ってきましたが(input側の対策)、それだけではなく年金額の改定(outputの対策)にうって出たわけです。
年金に係る財政(将来見通し)について、政府は「有限均衡方式」といって、100年程度の長期の均衡を考え積立金水準を抑制する考え方に立って、方策を打ち立てます。そのために定期的に(今年がその年)「財政検証」を行い、給付と負担の均衡を保つ策として今回の案が提案されています。

 

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ますます重要になる管理職の視点

長時間労働の受け止め方

電通社員の過労死で昨今問題になっている過重労働について、一般論として話を整理したいと思います。
会社に勤めて仕事をすることを改めて考えてみると、学校を卒業して希望に胸膨らませて入社してきた新人が、配属された部署の仕事を先輩に教わり、先輩の仕事を見て成長してゆく段階と、仕事を十分にこなせるようになり、管理職ではないにしても、自らの仕事の目標決定に自らかかわり、自らの責任に「やりがい」を感じながらゴールに向かってゆく社員(ここでは狭義にホワイトカラーという)では、おのずと「長時間労働」に関する精神的、肉体的な受け止め方が違ってきます。

管理職は人を見る仕事

新人については、まだ自分に与えられたタスクが、全体の一部に過ぎず、やっていることの真の意味も分からない状況の中での長時間労働は、精神的、肉体的疲労感の蓄積になるので、本人を孤独にさせないようケアしなければ重大な状況に陥りかねないというセンスを上司(とりわけ管理職)は持ち、労働基準法で定められた残業時間の上限を超えさせないことを「管理」しなければならないのです。
一方、「ホワイトカラー」はどうでしょうか。人は、自ら決めた目標については、それを達成するため、時間を忘れて必死になり、気がつけば窓の外が朝日で明るくなっているなどということもあるでしょう。長時間労働を美化するつもりはありませんが、「やりがい」は疲労感につながりにくいことは確かです。日本社会全体として非管理職の仕事を一律に考えるのではなく、本人の仕事へのかかわり方で同じ労働時間でも違った局面にいることをそろそろ理解すべきではないでしょうか。

ホワイトカラー・エグゼンプションimg254

米国のホワイトカラー・エグゼンプションにならって、政府は、同様の制度を確立し、残業時間という概念から解き放たれた仕事ができる方向性を模索しています。この制度が確立されれば、「やりがい」を感じている社員の生産性は向上し、後に続く社員の目標にもなり得ます。ただし、現状はホワイトカラー・エグゼンプションは、まだ日本の制度にはなっていない過渡期にあるため一律にひと月45時間までの残業時間(あるいは36協定)に拘束されることになり、すべての社員を残業時間の上限で管理するか、逆に全ての社員をあいまいな残業時間管理にしてしまうかになってしまっているのではないでしょうか。ホワイトカラー・エグゼンプションかあるいはそれに代わる、「ホワイトカラー」が労働時間に拘束されず活躍できる制度が確立されていない過渡期の今は、管理職にとって労働時間管理が悩ましいのも事実ですが、だからといって現状維持では済まされません。また、ホワイトカラー・エグゼンプションを導入すると残業時間に歯止めがなくなり益々長時間労働になりかねないという反対意見が常にありますが、それを管理するのも管理職の本分ではないのでしょうか。

 

 

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