新しい最低賃金への対応を

2022年10月1日から最低賃金(地域別時間換算給与)が上がっています。神奈川県の場合、最低賃金が31円増加して1,071円になっています。昨年の28円増加以上に事業主には大きな負担となりかねませんが、この最低賃金を下回ると50万円以下の罰金、悪質な場合、社名の公表もあり得るので見過ごすことはできません。
政府には、デフレのGDPギャップを埋める一端を大幅な賃金上昇という形で事業主に負担させるだけでなく、賃上げをしやすい環境整備の施策が待たれるところです。
さて、毎年の最低賃金は時間給で表現されるので、パートやアルバイトの給与に対しては敏感になりますが、最低賃金は月給制などの正社員にも適用されるため表現がわかりにくい分注意が必要です。
正社員の給与が最低賃金以上かの検証は、「基本給と諸手当の合計(諸手当の内、家族手当、通勤手当、臨時の手当、休出・残業手当等は加算しません)」を「ひと月の平均所定労働時間数」で割るとわかります。
また、固定残業手当を出している場合、固定残業手当が最低賃金を下回っていないかの検証も必要です。例えば、15時間相当で2万円の固定残業手当を出していた場合、時間外の倍率が1.25でも10月からは最低賃金を下回ってしまいます。基本給と諸手当の合計が十分に最低賃金を上回っていても固定残業手当が最低賃金を下回ることのないよう注意しましょう。
10月1日は過ぎていますが、今からでも気づいたら最低賃金を下回らない給与にしてください。

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アクシス社会保険労務士事務所の代表(社会保険労務士)
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