育児休業の仕方の多様化
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」が6月3日に衆議院本会議において可決、成立しました。
この改訂の主な内容は、男性の育休の取得促進を図る観点から、女性の産休期間にあたる子の出生後8週間以内に最大4週間、2回まで分割して柔軟に取得できる「出生時育児休業」を創設したところにありますが、ここでは、非正規労働者の育児休業給付金の申請要件の緩和について焦点を当てます。
育児休業給付金要件の緩和
この改訂では、非正規労働者(有期契約労働者)が、育児休業に入り、育児休業給付金を申請する際に、正社員/無期契約労働者と異なった申請要件がまかり通っていた部分が改定されました。
すなわち、非正規労働者の「引き続き雇用された期間が1年以上(前職との通算は許されない)」とする支給要件は撤廃されました。何らかの理由でこれまで通り排除する場合は、正社員と同様に労使協定を締結した場合に限り認めるようになります。介護休業についても同様です。
遅まきながら「同一労働同一賃金」に呼応
同一労働同一賃金が中小企業にも4月1日から施行されたにもかかわらず、育児休業給付金の申請要件が非正規労働者には厳しい要件のままで、この間にこの要件のため申請を却下された具体例を知っている者として、呼応するのが遅すぎる状況です。なお、この改訂の施行は、来年(令和4年)4月1日です。